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固定観念を捨て、常識を疑え

2019.02.05

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現在、資金改善コンサルタントとして多くの企業の支援に取り組んでいる中で「資金繰りに苦しむ会社(社長)によくある共通点」に気がつきました。

それは、商習慣や自社の文化・やり方に捉われ「固定観念が強すぎる」という点です。

今回は、ある支援先の事例をご紹介します。

INDEX

LPガス販売を営むT社の事例

T社は、LPガス販売を営む年商10億円の会社です。

解約を恐れて「常識」が資金難に...

毎年、年末が近づくと、お客様から「ストーブの調子が悪いんだよね。ちょっと見てくれる?」という問い合わせが増えます。

そうした問い合わせが入るたびに、調子の悪いストーブを預かり、T社の社員は1日中そのストーブの修理と掃除にあたっていました。

ストーブの修理や掃除に留まらず水漏れ、トイレの詰まり、ガスレンジの故障……など、T社はお客様に頼まれたことには何でも対応していたのです。

私は尋ねました。

「お客様からいくらかいただいて対応なさっているんですか?」

「もちろん無料ですよ!対応しないと、ガスの契約を解約されてしまうかもしれないですからね。それに冬にストーブが使えなかったら、可哀そうですよね。」

……私はただただ驚愕しました。

T社には「解約されないためにお客様には何でもしてあげる」という“文化”があり提供したサービス分の報酬をしっかりいただくという考えはすっぽりと抜け落ちてしまっていました。

無料で対応するのがこの会社では「常識」だったのです。

確かに「お客様のために」という想いも、一生懸命にストーブや水回りの修理に勤しむ社員達の姿も、尊いものです。

しかし、その「常識」が、T社の資金難の一因となっている、という目前の事実。

資金改善スタート

私は早急に資金改善委員会を発足し「無料サービスの有料化」を進めてもらうことにしました。

料金設定・顧客への通知方法・事務員の対応方法など、有料化に向けて解決しなければならない点を協議・検討し、

ストーブ修理は3,000円、水漏れ修理は2,500円……などの設定で、有料サービスをスタートすることになりました。

そして、半年後……。86件の有料サービスが提供できました。

そこから生まれた資金は約25万円。同じペースで1年が経過すれば、およそ50万円の資金が増えることになります。

1年に50万円、10年で500万円です。

また、T社には「(無料で)対応しないと、解約される」という「固定観念」がありましたが、
サービスを有料化しても解約やクレームは0件でした。

まとめ

いかがでしょうか?

T社のこの取り組みは、今まで無料でやっていたことを有料化しただけです。

これまで取り組んでいた仕事にルールを設けただけで、業務量は変わりません。

それで資金が増えるのならば、経営者としてこんなに嬉しいことはありませんよね。

「固定観念」を捨て、これまでの常識を疑う。

御社でも、こういった「固定観念」の中に、成長のカギが隠れているのかもしれません。

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