今回はテーマ1:成功・成長企業に共通するのは「◯◯」だ!の第3弾「成功・成長企業に共通する『資金管理』」についてお伝えします。
目次
成功・成長企業は資金を重視する!
自動車業界の目標は、売上や販売台数であることが多いですよね。
販売台数を増やすために在庫を増やして、在庫を置くために土地を借りて、売上は増えているけど借入金も増えている!現預金が増えていない!
……このような経験はありませんか?
手段を問わなければ、売上を増やすのはそれほど難しいことではありません。しかし、自動車業界の規模拡大には多くの危険が潜んでいます。
在庫を増やすということは、お金を寝かせていることになり、さらに在庫の仕入や展示場拡大のために借入をするとなると、自己資金(現預金―借入金)はどんどん減少していきます。
社員への賞与支払いや納税のための借入も同様です。
企業経営においては、売上も大切ですが利益の方が大切です。さらに言えば資金が最も大切です。
赤字でもすぐには倒産しませんが、黒字でも資金が尽きれば倒産します。
そのため、損益ではなく財務(資金)を重視した経営が必要となります。
規模の拡大よりも、強固な財務基盤をつくることが、今の時代に必要な方向性なのです。
売上ばかりを追い求めると、無理な値引きや販促経費の増加などが利益を圧迫しますし、売掛金などの債権管理も甘くなります。
それにも関わらず、忙しくなっているから実態把握がままならない……。このようなケースが良くあります。
御社は、財務(資金)重視の経営ができているでしょうか?
理想の販売手法
成功・成長企業は、どのような販売手法を用いているのでしょうか?
販売に関していえば、無在庫販売……いわゆる注文販売です。
注文販売が成り立つということは、信頼関係ができているということ。
つまり、価格競争から脱却し、他社との差別化に成功しています。
注文販売は言い値で販売することができるので、下取車の入庫率・保険の加入率も違ってくるでしょう。
結果的に利益率が上がり、増えた利益を社員に還元できます。
頑張った分が見返りとして返ってくれば社員達の「やりがい」にもなつながるでしょう。
また、在庫を持たなくて良いため、資金繰りが楽になります。
余分な運転資金は不要となり、借入金の返済に充てられます。
自己資本比率が上昇すると、金融機関への金利交渉も可能です。
そうして資金に余裕ができれば新たな設備投資や効率化を図るために活用することができ、全てが好循環となります。
注文販売は展示販売と比較してリスクが少なく、資金繰りも大幅に改善されます。
まとめ
いかがでしょうか?
会社の方向性が、財務(資金)状況を踏まえた拡大計画であれば良いのですが、実際には想い・勢いだけが先行してしまっている計画が多く見られます。
無在庫は極端な例ですが、一度、御社の方向性を財務(資金)という視点から見直してみてはいかがでしょうか?
「自動車販売・修理業」特別コラム
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NBCコンサルタンツ株式会社
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