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財政から日本の未来を考える

2021.04.28

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NBCコンサルタンツ株式会社

NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。

2021年4月から新年度がスタートし、国の一般会計予算が発表されました。

今日は少し数字が多く、固く感じられるかもしれませんが、見えてくることもきっとあると思いますし、知っておいて損はありません。

皆様には、ぜひ「鳥の目(俯瞰)」で、私達の生活するこの日本という国を見ていただきたく存じます。

INDEX

【2021年度 収支予算】

 収入の部 税収57.4兆円
      その他5.6兆円
      ――――――――――――
      合計63.0兆円 …[1]

 支出の部 公共事業・教育・防衛など26.1兆円
      社会保障35.8兆円
      地方交付税15.9兆円
      新型コロナ予備費5.0兆円
      国債費(借入金の元金返済+利息)23.8兆円
      ――――――――――――
      合計106.6兆円 …[2]

 収入[1]- 支出[2]= ▲43.6兆円…公債金(新しい借入金)

【1990年度(参考までに31年前の予算)】

 収入の部 税収58.0兆円
      その他2.6兆円
      ――――――――――――
      合計60.6兆円 …[1]

 支出の部 公共事業・教育・防衛など25.1兆円
      社会保障11.6兆円
      地方交付税15.3兆円
      国債費(借入金の元金返済+利息)14.3兆円
      ――――――――――――
      合計66.2兆円 …[2]

 収入[1]- 支出[2]= ▲5.6兆円…公債金(新しい借入金)

【1990年度→2021年度の比較】

 収入は、60.6兆円→63.0兆円(+2.4兆円)

 支出は、66.2兆円→106.6兆円(+40.4兆円)
 うち社会保障費が11.6兆円→35.8兆円(+24.2兆円)※3.1倍

 公債金(新しい借入金)は、5.6兆円→43.6兆円(+38.0兆円)

【三大税項目の前年対比(共に予算比較)】

 所得税 2020年度 19.5兆円
     2021年度 18.8兆円……昨対▲0.7円      

 法人税 2020年度 12.1兆円
     2021年度  9.0兆円……昨対▲3.1兆円 

 消費税 2020年度 21.7兆円
     2021年度 20.3兆円……昨対▲1.4兆円

前年対比からわかること

新型コロナウイルス感染症が、企業の業績→個人年収→消費へとダイレクトに影響を与えていることが分かります。

皆様が国の財務担当大臣なら、この現状をどのように変えていきますか?

少し考えてみてください。

入りが少なければ出を制する原則に従って、考えてみましょう。

  • 【社会保障費】:この31年間で約3倍……。下げるどころではなく、これから益々増える。
  • 【国債費】:借りたお金は返さなければなりません。結局、返済のために新たに借りることになるのですが。。。
  • 【教育研究開発】:ここを捻出できないことが、国際社会で遅れをとっている原因になっているとも考えられます。これ以上の削減は、国の衰退を意味するためできない。しかし、無駄遣いには十分な監視をして欲しい。
  • 【コロナ対策費】:今、これを無くすことはできませんね……。
  • 【国会・国会議員に関する支出】:皆様の基準で判断ください。

削減は厳しいという印象を受けますが、それでも中身の再検討は常に大事なことです。

まず、一番の支出である社会保障費に目をつけてみましょう。

医療費の増加幅を抑えることはできませんが、医療費の自己負担割合を上げれば、社会保障費を減少させることは可能かもしれません。

国が収入増やす=増税

次に、支出が減らせない(抑えることで精一杯)なら、そう!売上を伸ばすしかありません。「攻撃は最大の防御」です。

国が収入を増やすには、税収を上げなければいけません。

消費税は、日本の将来を見据え、1989年(平成元年)4月1日に導入されました。

【法人税】

企業の業績によって左右。国際競争の時代になり、日本だけ税率アップの流れとはならない。

【所得税】

企業業績の悪化は即給与の減少につながるうえ、人口減少にともない総額も減少。

【相続税・印紙税・酒税・たばこ税】

全体に占める割合は少なく、大きな税収増加に繋がらず、限度がある。

後は「消費税」しかありません。

【参考:世界各国の消費税(付加価値税)】

 EU平均 標準税率21.5% 食料品に対する適用税率10.3%
  ハンガリー 27.0% 食料品に対する適用税率18.0%
  デンマーク 25.0% 食料品に対する適用税率(軽減税率)なし など

 ASEAN+3平均 標準税率9.9% 食料品に対する適用税率3.4%
  日本 10.0% 食料品に対する適用税率8.0%
  中国 13.0% 食料品に対する適用税率9.0%
  韓国 10.0% 食料品は非課税
  台湾  5.0% 食料品は非課税 など


ちなみに、アメリカに消費税は無く、似た税金として小売売上税があります。
一律税率ではなく、州さらには群や市で税率が異なります。

州税率と“平均”郡市税率の合計で、一番税率の高い州がルイジアナ州の10%、
一番低い税率の州がオレゴン州・モンタナ州・デラウェア州の0%となっています。

まとめ

知れば知るほど驚きもありますが、所属する国(会社)に無関心にならず、知ることによって考える機会を持ち、日本の未来を変えることに繋がればと願っています。

会社の改善と一緒ですね。

経営者ならば
「この時代に生き残れる会社になるためにさらに経営努力をしていかなければならない」と緊張を覚えていることと思われます。

稲盛和夫氏の言葉に
「経営の面白味は、従業員との一体感」というものがあります。

今の時代だからこそ、経営者(リーダー)一人で悩みを抱えず、幹部・社員と一体になって未来を切り拓くことが大事ではないでしょうか?

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