コロナ禍の今実に多くの特別施策が講じられています。もっとも知られている、『Gotoキャンペーン』や『ふるさと納税による返礼品』ですが、実は課税対象ということはご存じでしょうか。
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コロナ禍の今、実に多くの特別施策が講じられています。政府主導のものだけでなく、自治体独自のものまでさまざまですが、最もその存在が広く国民に知られているものの一つが、官邸肝いり施策でもある『Gotoキャンペーン』ではないでしょうか?
(施策の是々非々は置いておき)認知度の高いこの施策ですが、
「Gotoキャンペーンで受けた恩恵(=還元額)が一時所得の対象となる」
ということをご存じの方はそう多くないようです。
また、同様に一時所得の対象となるものとして、『ふるさと納税による返礼品』があります。
近年、ふるさと納税返礼品についての注意が関係省庁や各自治体のホームページにも掲載されるようになりましたので、ご存じの方も増えてきているかもしれません。
国税庁のウェブサイトにも以下のように記載されています。
───── ふるさと納税返礼品にかかる課税について ─────所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、
金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます。
ふるさと納税の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、
所得税法第9条《非課税所得》に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、
また、地方公共団体は法人とされていますので
法人からの贈与により取得するものと考えられます。
したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します。
なお、一時所得の金額は次のように計算します。
(注1)その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた
原因の発生に伴い直接要した金額に限られます。
(注2)AからBを控除した残額が50万円に満たない場合には、
その残額となります。出所:国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/37.htm)
もちろん、特産品に係る経済的利益について、ふるさと納税の各個別での返礼額および返礼率を正確に把握することは不可能なのですが、それでも申告上評価する必要があります。
多くの人は、返礼品の種類ごとに下記のいずれかの方法により合計額を算出して検討しているようです。
- インターネットで価格を調べる
- 販売価格により計算する
- 平均返礼率による
ここは、総務省の指導をそのまま受け取れば、おおむね「3割以下」となっているのでしょうから、「3割」で申告しておけば、課税庁から一時所得漏れを指摘されることはないとも言えます。
他の一時所得がないことを前提にすれば、ふるさと納税額の3割が50万円以下の場合、申告不要となるわけですから、課税対象になるふるさと納税金額基準は「167万円」からとなります。
これだけの金額をふるさと納税しているということは、それだけ高額な所得があるということです。
税務調査が入り、申告漏れが発覚・追徴課税となった際、税率が高いことから税額も高くなり、大変なことになります。
さらに、ここにGotoキャンペーンやGotoイートなどの「お得分」まで利用していたとなると、その「お得分」全てが課税の対象となるわけです。
ちなみに、給与所得者等であればその他所得が20万円以上であれば確定申告が必要にもなってきます。
(特別定額給付金10万円は非課税所得となり対象外です。)
目先のお得にだけ囚われて、申告漏れ・追徴課税……ということの無いよう、しっかり一年間の収入を見直すようにお勧めします。
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この記事の著者
NBC税理士法人
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