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『令和6年度 税制改正大綱』から紐解く実務のポイント

2024.01.23

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目次

『令和6年度 税制改正の大綱』が2023年12月22日に閣議決定されました。

今回は、特に確認しておきたいポイントを一部抜粋して解説します。
※今後、審議等で変更される可能性がある旨ご了承ください。

毎年この時期になると発表される同大綱ですが、「税法」は数多くある法律の中でも改正が非常に多い法律です。いち早く正しい改正内容を押さえ、自社で活用できそうなものがあれば、ぜひ活用を検討しましょう。

正しい改正内容を押さえるには専門家に聞くのが一番の近道!
⇒『令和6年度 税制改正の大綱』に関する問い合わせ窓口はコチラ!

(1)法人課税
賃上げ税制の改正(適用期間:令和6年4月1日~令和9年3月31日)

前事業年度と比較し給与などの支給額が増加した場合、一定の税額控除を受けられる『賃上げ税制』が改正されます。

改正その1

上乗せ措置を見直すことにより、中小企業の場合、税額控除率が最大40%⇒45%へ拡大されます。

改正その2

中小企業は欠損法人も多く、税制措置の恩恵を必ずしも受けられない構造となっているため、新たに「繰越控除制度」が創設されます。当期の税額から控除できなかった額は、5年間の繰り越しが可能です。

人材や設備等への投資を多く行い、単年度では欠損法人となるような中小企業にも追い風になると思われます。うまく賃上げ税制を活用していきましょう。

(2)資産課税
事業承継税制の特例措置に係る計画提出期限の延長(令和6年3月31日⇒令和8年3月31日へ)

非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度について、コロナの影響の長期化や物価高騰など、急激な経営環境の変化により事業承継の検討が遅れている状況を踏まえ、特例承継計画および個人事業承継計画の提出期限が2年延長されます。
ただし、特例承継計画の提出期限は延長されても適用期限は変わらないため注意が必要です。

法人版事業承継税制の特例措置の適用期限(=贈与や相続が実際に行われるタイミング)は令和9年12月31日まで、個人版事業承継税制は令和10年12月31日までと、今後も延長されない見込みです。本制度の適用を受ける可能性がある場合は、早めに事業承継計画の策定に着手した方が良いと言えます。

なお『特例事業承継税制』は、

「中小企業の先代経営者が所有する自社株式を一括贈与(もしくは相続)した場合、その贈与税(もしくは相続税)の納付を全額猶予する。」
「一定の要件を満たせば納付猶予されていた税額が全額免除される。」

このように事業承継時の税金負担を猶予、もしくは免除することが可能になるメリットの大きい制度です。

仮に特例承継計画を期限内に提出した後、計画通りに事業承継が進まず、令和9年12月31日までに贈与・相続が行われなかったとしても、今のところ特に罰則等はありません。

そのため「とりあえず」特例承継計画を出しておくことも選択肢の一つです。

(3)所得税
個人所得税・住民税の定額減税

納税者の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下)である場合に限り、令和6年度分の所得税および住民税が減税されます。

減税額は納税者および配偶者を含めた扶養親族一人につき4万円(所得税3万円+住民税1万円)です。例えば、世帯主と同一生計配偶者、扶養親族となるお子さん1人の場合は計12万円の減税となります。

個人の観点でみると喜ばしい定額減税かもしれませんが、企業側は給与システムの整備などの準備が必要になります。(令和6年6月分の給与支給から特別控除が実施。)

すでに給与システムを導入している場合は問題ないと思いますが、独自のエクセルデータなどで給与計算している企業は、上記を踏まえた給与計算を行う必要があるため要注意です。

事前に正しい情報を把握し、早めに準備していきましょう。

今回は3つのポイントに絞って紹介しましたが、まだまだ多くの改正内容があります。冒頭でもお伝えしたように「いち早く正しい改正内容を押さえ、自社で活用できそうなものがあれば活用を検討」するには、専門家に聞くのが一番の近道です。ぜひ、NBC税理士法人へお問い合わせください。

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この記事の著者

NBC税理士法人

「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。