中堅・中小企業の社長のための
経営支援・課題解決メディア

中小企業の節税策~中小企業経営強化税制~

2022.03.20

Share

最近、多くの経営者からこのような相談を受けます。「利益が出そうだが、資金を残したい。納税額を減らしたい。何かいい方法はないか?」はたして、このようなうまい話はあるのでしょうか。

答えは「NO」です。日本の税制は、納税額を減らして資金を残すことを認めていません。

現在の法人税基本税率は23.2%です。(国税のみ)まず、この23.2%を高いと感じられますか? 実は、昭和59年の法人税率は43.3%でした。その時代と比較すると、大きく減税されているのです。

とはいえ「資金を残したい」と考える気持ちはとてもよくわかります。そこで今回は、数少ない「企業に資金を残し、税負担の軽減ができる節税策」を紹介したいと思います。この節税策は、日本政府が期間限定で認めた優遇措置税制です。

INDEX

中小企業経営強化税制とは

中小企業が一定の設備投資をした場合、法人税額の20%を上限に税額控除、もしくは取得資産を100%即時償却することが認められるという内容です。
仮に、利益1,000万円の企業が1,000万円の設備投資を行い、この税制に適合した場合、『利益1,000万円に対する法人税232万円×20%=46.4万円』が税額控除され、節税になります。
即時償却を選択した場合、利益が0円となるため法人税は0円です。232万円の節税になります。
※説明のため簡易的に計算しています。実際の税額計算とは異なります。

税額控除か即時償却かは、その企業の資金繰り・経営状況・財務状況・経営戦略に応じて選択します。この税制はA類型(生産性向上設備)・B類型(収益力強化設備)の2種類がありますが、今回はA類型の導入事例を紹介します。

A類型(生産性向上設備)の導入事例

業種 その他サービス業(除雪・排雪請負)

[取得設備]ホイールローダ

[金  額]1,080万円

[耐用年数]10年 

[目  的]冬の除排雪請負業務の生産性を向上させるために、最新モデルのホイールローダを取得したい。

[手 続 き]
 <1>事前に購入予定先のメーカーに中小企業経営強化税制の対象設備であることを確認する
 <2>設備取得前に工業会(業界団体)へ証明書の発行依頼を行う
 <3>経営力向上計画書を作成する
 <4>提出先機関を調べて計画書を提出する(この事例の場合は経済産業省)
 <5>計画書の添削を受け、修正などを行う
 <6>認定
 <7>設備の取得・事業供用の開始
 <8>税務申告(別表添付・適用額を明細書に記載)

今回の事例では即時償却を選択したため、設備投資額1,080万円×法人税率23.2%=250.6万円の節税を行うことができました。
さらに、償却資産税の特例にも該当するケースがあります。これは生産性向上特別措置法として制定されており、地方自治体ベースで適用できるかどうかが異なります。措置法の概要は、償却資産税の課税標準が3年間0円となる措置です。

留意点として、中小企業経営強化税制の場合、設備取得後でも60日以内に計画が承認されれば、特例として税制が適用されますが、生産性向上特別措置法の場合、この特例はありません。「設備取得前」に計画書の作成・提出が必要となります。

これらの優遇措置税制は、慢性的な人材不足の時代に生産性・収益力を向上させるきっかけになるのではないでしょうか? 優遇税制を上手に活用し、実質負担を大きく軽減できるのであれば、未来のための良い投資となることでしょう。

生産性・収益力向上のために設備投資を予定している方は、優遇税制が適用できるかもしれません。ぜひご相談ください。

Share

関連記事