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Withコロナ~オフィス需要の変化は起こるのか?~

2020.08.04

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世界金融危機(リーマン・ショック)を超えるマイナス成長と言われている現在の経済環境。そうした中、オフィス賃貸事情はどのように変化しているのでしょうか。

オフィス賃貸事情は景況感と連動性が強いといわれていますので、今回の新型コロナウイルス感染症はオフィス賃貸市場にどのような影響を及ぼしているのか解説します。

目次

世界金融危機(リーマン・ショック)を超えるマイナス成長

連日の報道で新型コロナウイルス感染症の影響による経済環境悪化が叫ばれ、世界のGDP成長率はリーマンショック時のGDP成長率と比べても、大幅なマイナス予測になると喧伝されています。

オフィス賃貸市場は景況感との連動性が強く、企業は不況下になると事業縮小にともなう人員整理や賃料削減などを行うことが多いと言われます。

はたして新型コロナウイルス感染症はオフィス賃貸市場にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

雇用の維持

オフィス需要について(外資系企業はさておき)国内大手企業に目を向けると、雇用を維持し、非常事態宣言の解除にともない事業活動を本格化させており、需要が一気に縮小するとは考えにくい状況にあります。

加えて、近年オフィス需要を牽引してきたフレキシブルオフィス(※)は、企業が感染症対策としてオフィスの拠点分散を進めることで、郊外を含めた新たな需要が見込まれる状況となっています。

※コワーキングスペースやサービスオフィスなどの共有オフィス。

オフィス選考基準の変化

新型コロナウイルスの影響で経済活動が低迷し、落ち込みが避けられそうにない日本のオフィス需要。

事業用不動産を世界的に手掛けるシービーアールイー(CBRE)の大久保寛・日本リサーチヘッドは、来年後半には持ち直すと予想する。

大久保氏はロイターとのインタビューで、テレワークが定着してもオフィスの賃貸需要は減退しないものの、選ぶ際の基準は変わるだろうと語った。

<テレワークの影響は限定的>

外出自粛でテレワークが広がり、コロナ終息後もオフィス需要が減退するとの見方があるが、大久保氏は懐疑的だ。

とりわけ子育て世代は仕事に集中できる空間を自宅で確保するのが難しく、「オフィス通勤を前提とした経済活動に回帰するだろう」と語った。
それでも、多くの人がテレワークを経験したことで、今後はオフィスを選ぶ際の基準が変わりそうだという。

大久保氏は、
「立地が良くて新しければ良い物件とは必ずしもならず、
より労働環境のクオリティ面が重視されそうだ」と語った。
内装デザインや照明、快適な休憩スペースの有無、
さらには従来さほど意識されなかった換気設備などへの
関心が高まりそうだという。

出所:ロイター「〔コロナ後の日本〕オフィス需要は来年後半回復、テレワークで変化も=CBRE大久保氏

自宅の「テレワーク部屋」が課税対象??

法人の地方税申告において事務所等ごとに課税されていることをご存じでしょうか?

会社として1ヶ所であればその所在地の所轄(市町村及び都道府県)への申告のみになりますが、2ヶ所以上ある場合にはそれぞれの所在地の所轄への申告が必要となります。

所得割と言われる利益に対する課税に関しては総額に変わりありませんが、均等割に関してはそれぞれの「事務所等ごと」に課税されます。

事務所等については、地方税法取扱通知(地方税法の施行に関する取扱について)において、その要件を「人的設備」「物的設備」「事業の継続性」の3つに定めています。

今般、テレワークにより自宅の部屋の一部を仕事専用としている方も多いと思われますが、この一室は事務所として地方税の課税対象に含まれるのでしょうか?

安心してください。答えは「否」です。

ダイニングルームでテレワークを行うなど、明らかに居住との兼用で便宜的に業務をする場所に適用している場合、コロナ禍以前から一室を事務所として継続的に使用しているのでなく、一時的に使用している状況においては課税対象として含める必要はないとの見解になります。

ただし、今後も継続的にその一室を事務所として使用していく場合にはこの限りではありません。

経営は、常に変化に対応していくことが求められますが、Afterコロナ・Withコロナでは、オフィスのあり方も今までの概念から大きく変容するかもしれません。

少なくとも、選択肢として色々な形が増えていくだろうと考えています。

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この記事の著者

NBC税理士法人

「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。