今回のテーマは、ご質問の多い「間接部門の目標の立て方」です。
このテーマは、弊社発行の【NBC Plus vol.17 間接部門の評価制度】にわかりやすくまとておりますので、そちらを要約する形で解説します。
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目次
間接部門の成果とは?
間接部門の社員は、概して直接部門に「食わせてもらっている」という感覚を抱きがちです。しかし、間接部門の「成果」を積極的に計ろうと工夫すれば、その認識が間違いであることに気づきます。
総務や経理部門で言うところの「成果」は、次の三つに分けられます。
- [1]固定費を削減し、損益分岐点売上を下げること
- [2]間接部門に潜む将来のリスクを軽減すること
- [3]直接部門の活動時間を最大化するために、業務を合理化
固定費を削減し、損益分岐点売上を下げる
固定費を削減することは損益分岐点売上を下げることになり、安定的に収益を上げる基盤づくりに繋がります。
例えば、特定の固定費について「前年比20%削減」「予算対比80%以下」など、目標設定を行い、これに向けた活動を間接部門が主導します。
具体的には、業者との交渉、社内向けの“見える化”、改善提案制度の導入・運営や、残業時間の短縮もこの目標に含まれます。
間接部門に潜む将来のリスクを軽減する
間接部門の業務は属人化されている場合が多く、欠員が発生すると大パニックを起こし、直接部門の生産性にまで影響が及ぶこともあります。
このような将来に潜むリスクに対して、日頃からマニュアル化したり(標準化)、一人に業務を集中させず持ち回りでできるように教育訓練すること(多能工化)が重要な目標となります。
直接部門の活動時間を最大化するために、業務を合理化
例えば、営業マンの時間を、下記のように分けます。
- 1.付加価値を生む時間:(商談、イベント、新規開拓など)
- 2.付加価値は低いが必要な時間:(提案書や見積書の作成、商品の納品、集金、発注、会議、移動など)
- 3.不要な時間:(資料を探す、ミスのやり直しなど)
1:を最大化するために、2:に含まれる提案書や見積書の作成を代行したり、
その業務自体のスリム化を行うなど、他部門に恩恵をもたらすことが明確な目標は、社内からの納得性も高くなります。
もちろん、いずれも「適切な目標の形式」となるように、「5W2H」特にHow much/many(どの位やるのか)=100点ラインを明示することがコツとなります。
次回以降は、「目標の進捗管理の仕方」や、これを通して行う「コーチング」について述べさせていただきます。
▼目標設定関連コラム
第1回 目標設定のやり方と5W2H
第2回 間接部門の目標設定
第3回 目標の進捗管理の仕方
第4回 部下の目標達成に導くコーチング
第5回 人事評価のフィードバック方法
第6回 目標設定のステップアップ方法
第7回 目標設定に関する失敗事例
第8回 成功する定量・定性目標設定のポイント
第9回 組織の成熟度に応じた人事評価制度の運用モデル
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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