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労働分配率経営をベースとした人事評価制度や、導入・改善事例についてお伝えしています。
日本労働組合総連合会が3月22日に公表したプレスリリースによると、1,446組合の定期昇給相当込みの賃上げ加重平均は16,379円/5.25%と、前年同期比4,825円/1.49%増で、比較可能な2013年以降の春闘では、金額・増加率ともに最も高い水準となりました。
組合員300人未満の中小777組合の定期昇給相当込みの賃上げ加重平均は11,916円/4.50%と、同じく2013年以降の春闘で最も高く、30年以上伸び悩んだ賃金情勢に変化の兆しが出始めています。
出所:日本労働組合総連合会『中堅・中小組合含め、高水準の回答続く!~2024 春季生活闘争 第2回回答集計結果について~』
2024年2月の消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇し、連合のデータによる賃上げ率は物価上昇を上回っています。
このような背景もあり、給与テーブルや給与水準の見直しを行う中小企業が増え、「人事評価制度を全体的に見直したい。」という相談が弊社にも多く寄せられています。
人事評価制度に関するご相談をいただいた際、必ず「人事評価制度を導入・再構築する前に、まず【設計図】を経営陣で作ること」をおすすめしています。
「目標管理の仕組みを採用しているものの、目標設定や達成支援を管理者が十分にできておらず、点数を付けて送り返すだけになっている……。」
「仕組みはしっかりとしたものを作ったのに、機能していない、役に立たない……。」
このように頭をかかえている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
人事評価制度は現状課題とその本質を把握したうえで、自社にあった導入・運用の【設計図】を作成し、実際に運用する管理者と共通認識をもって進めることが大事です。
また【設計図】を作成するためには、次の2つを知る必要があります。
人事評価制度を導入・再構築することは、ルールにもとづき「昇給する」「賞与を支給する」ことを指します。そのため、基本的に人件費は毎年上がっていきます。
収益構造上の課題を明確にし、生産性向上・増益・賃上げのすべてに寄与するよう設計図を描く必要があります。
昇給・賞与原資を生み出すために、人件費の上昇以上に付加価値・生産性を向上させることが大事です。
弊社では毎月オンラインで人事評価制度セミナーを開催しています。
その際のアンケートでは、約30%の企業が「制度はあるが十分機能していない」と回答されています。
これまで人事評価制度の導入・運用を支援してきた中で実感していることは、「制度が機能しない原因は組織の風土にある」ということです。
- 会社の決め事やルールを守らない、甘い
- 上司-部下のコミュニケーション不足
- 会社の向かう方向や方針が理解されていない
- 部下育成に熱心な管理者の不足 ……など
制度の導入・再構築も大事ですが、その受入基盤である会社の体質改善や、管理者の育成についても設計図に組み込みましょう。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。