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人事評価制度のコンサルティングは、制度づくりや運用支援のほか、幹部や社員……場合によっては後継者のキャリアプランの研修にもおよびます。最近、キャリアプラン研修の題材にアンリ・マティスという芸術家を取り上げています。
マティスは20世紀に活躍したフランスの画家で「色彩の魔術師」とうたわれています。同年代の画家にはジョルジュ・ルオーや国は違いますがムンク、クリムトなどがいました。
ちなみに、2024年5月27日まで六本木の国立新美術館で『マティス 自由なフォルム』展が開催されていますので、ご興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
https://matisse2024.jp/
さて、なぜキャリアプランとマティスがつながるのか?
一言で表すとマティスは「生涯を通じて学び、変化し続けている」からです。マティスのキャリアは法律事務所の書記から始まっています。盲腸炎の療養中に絵画に興味を持ったことから美術学校に進学し、画家に転向する訳です。
時代背景に着目すると、チューブ式絵の具による技術革新で、絵画はアトリエで描くものから外に出て描くものへと変化した時代です。肖像画も安価・短時間で正確な写真に置き換わり、芸術家はまさにトランスフォーメーション=変革を求められていました。
そんな時代背景もあってかどうか、彼の作風は印象派スーラのような点描画だったり、セザンヌのような色遣い、ゴッホのような筆遣い、ピカソのキュビスム(※)を取り入れた作品……などなど。
※正面・横・斜めからの視点を再構成して平面に表現した絵
試行錯誤や人との交流を通じて、ずっと変化し続けているのです。
マティスの強みは、自分自身や外の変化を感じ取る力、変化を受け入れて自らを変える力、そして色彩と形による多彩な表現だったのではないかと思います。
晩年には老いや病を受け入れながらも、切り絵や教会の内装、ステンドグラスのデザインを手がけました。
晩年になるほど変化する人――凄くないですか?
ベテランになるほど「今できること」に執着し、そこにこだわり続け、自分を磨いているつもりが、過去の積み重ねを擦り減らしながら仕事をしている……。
思い当たる点がないでしょうか?
トランスフォーメーションを果たした芸術家、アンリ・マティス。
写真と異なる価値とは何か?そう考えた彼らに、いま私たちも学ぶところがある気がします。ご自身や自社のキャリアプランの参考にしていただけますと幸いです。
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NBCコンサルタンツ株式会社
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