今回のコラムでは、労働分配率経営をベースとした人事評価制度や、導入・改善事例についてお伝えしてまいります。
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なお前編は以下の記事をご参照ください。
目次
KPI、OKR……最新手法が会社を変えるわけではない!
人事評価制度の構築・運用のご支援をしておりますと、「目標管理に手を焼いている」という社長から多くのご相談をお寄せいただきます。
社員の目標意識・達成行動を高めようと、
KGIとKPI、OKR(Googleが取り入れている手法として最近注目されています)、SMART……など、次々に出てくる新たな手法を試しているようです。
いずれの手法を用いるにしても、成功する企業と失敗する企業に分かれます。今号ではそのポイントをお伝えします。
社員の「知っている」と、社長が求める「知っている」にギャップがある
人事評価制度構築の前に、社員の皆様にアンケートを取ると、次のような意見がよく出ます。
- 会社の未来が見えない
- 目標や計画は尻切れトンボに終わる
- 会社の課題は理解しているが、自ら改善する風土がない
社長は社員を集め、期初や下期のスタートに経営計画・目標の振り返りなど行っているのに、なぜこうなるのでしょうか?
それは……ズバリ!
社員の「知っている」と、社長が求める「知っている」との間にギャップがあるからです。
- [1]聞いている
- [2]理解している
- [3]納得している
- [4]共通認識がある
- [5]行動している
- [6]できている
社長は、「知っている」=[5]行動している[6]できている を求めますが、
社員は、「知っている」=[1]聞いている[2]理解している で留まっていることが多くあります。
このような場合「納得」や「共通認識」まで高まっていないため他人事になっており、自主的に行動するものというより、指示があれば行動を起こすというケースが多くなります。
最も重要なことは
- いかに社員が【 腹落ち 】できるように巻き込むか
- (腹落ちしたら)社員が安心して行動できるようにマネジメント層がいかに振舞うか
ということです。
とある企業の事例
ある企業のお話です。
この企業の評価制度は四半期目標を立て、
チームの目標達成のために個人目標を立て、
チームと個人の達成度を評価する仕組みになっていました。
しかしながら、全社目標と部門目標の繋がりの薄さ、それに伴い個人目標の内容とレベルにバラつきがあることが悩みでした。
そこで、経営計画発表会を半日間で行い、前半は社長・部門長からの発表、後半は社員の腹落ちのためのグループワークを開催しました。
すると、上司と部下との認識には驚くほどのずれが!それでは目標達成はおろか目標立案もできるはずがない……という状態でした。
営業サイドは
「何で〇〇の獲得が評価されないんですか?それが評価されないのならやる気が出ません!」
→評価項目の漏れが達成意欲を阻害することも
本部サイドは
「調べるのに時間がかかります。○○業務は現場でやってもらえないですか?」
→法律が絡む業務のため、本来は現場任せにできない
→本部社員の知識・スキル不足が問題の本質
さて、このような状態から本来管理者には言いたくない本音を社員から引き出し、いかに解決に向かわせ、共通目標の達成にベクトルを向けたのか……?
共通目標の達成に向かわせるために行うべきこと
その秘訣は"フレームワーク"と"グループワーク"にあります。
1.目標・計画を達成できない組織のメカニズムを知り
2.目標・計画を達成させるためのディスカッションの方法を学び
3.最も達成したくて、最も難しい課題にフォーカスし、最もやるべきことに短時間で集中
4.次のフォローアップの日を決めて、解決策にコミュニケーションの頻度も組み込む
その場で解決できないことは
「いつまでに決めるのか」
「そのために最初のミーティングをいつ開くのか?」
前向きな棚上げをしながら、テンポ良くディスカッションをすることが大事です。間延びはマイナス思考に繋がります。
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労働分配率を使った人事評価制度
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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