評価制度を構築したり、再構築する際に、「どんな評価項目が良いか」経営者や幹部の方の悩みは尽きません。
特に皆が100%満足させるような評価制度を構築しようとすると、ドツボにはまります。
それでは皆が納得するような評価制度を構築するためにはどのようなことをすればよいか解説します。
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目次
皆を100%満足させる人事評価制度はない
評価制度を構築したり、再構築する際に、「どんな評価項目が良いか」経営者や幹部の方の悩みは尽きません。
こちらを立てると、こちらが立たず・・・というように、すべてを網羅しようとすると、いつの間にか評価項目が20項目にものぼることがあります。
このように、熟考に熟考を重ねた我が社の評価制度、これで安心と思って運用したら、社員から非難轟々・・・。経営者は、「君たちのために見直したんだぞ!」と声も荒げたくなることでしょう。
熟考を経た評価制度でも、評価される側はこう言います。
「今期は粗利が前年比120%以上、評価、賞与も今まで以上にもらえると思ってた!
しかし20もある評価項目のせいで、たった1項目の評価が上がったところで、何の影響もないじゃないか!」
評価する側はこう言います。
「評価項目が20って、そんなに見られない!何人部下がいると思ってるんですか!?しかもこれを年2回も3回もできないですよ!」
何のための評価なのか?
弊社は、人事評価制度を構築する際、幹部の方々に「評価制度構築とは『会社と個人の善循環をつくりだす』ことだ」とお伝えしています。
よって、会社の財務状況や社風によって、何がその企業にとっての『善循環』かを見極める必要があります。
あるサービス業では、経営陣、幹部とのキックオフにあたり、評価制度の導入と運用を長期的かつ安定的に進めるためには「収益改善」が必要とし、以下を短期の成果、導入の目的として、賞与と評価の制度を構築することを伝えました。
年間の借入返済原資を利益から生み出す。そのために
- 売上高 3%アップ
- 変動費比率 2.4ポイント削減
- 本部経費 6%削減
これができれば<賞与原資 2ヶ月アップ> しても【労働分配率は2.5ポイント改善】
利益・資金が確保できて会社良し、賞与も上がって社員よしです。
評価項目は経営課題の改善に「絞る」!
目的と目標が定まったら、それを達成させるために必要な評価の項目に「絞る」ということです。
上記であれば、売上高と変動費比率を因数分解して、主要な現場計数を評価項目とし、その結果を出すための主要な行動・活動基準をきめると、定性評価の項目になります。
人を100%正しく評価する、正しいものに近づけよう・・・とさまざまな評価項目を「網羅」してはドツボにはまります。
だから思い切って「共通目標を達成させる」という共通言語のもと因数分解された現場計数を、部署、職位、役割に応じて評価項目をつくる、というプロセスで納得感を高めます。
『納得感』とは結果に対してだけではなく、事前の受け入れやすさを高めることも意味します。後出しジャンケンではなく、【先出しで納得感をつくりだすこと】が評価制度では肝要です。
どんな会社でも6~7割は給与・賞与に不満!ただし・・・
給与制度・賞与制度の満足度アンケートをとると、財務内容や社風に関わらず、6~7割は不満の傾向です。
不満の理由は、実は金額への不満が1位ではなく、【制度に対する説明や結果に対する説明に対するの不足】が上位です。そして、上司の評価とのギャップと続き、金額への不満、というのが一般的な傾向です。
社員への報酬は、
- 金銭報酬だけではなく心の報酬(達成感、納得感)
- 未来への報酬(挑戦、目指す職位)
- 仕事の報酬(任せられる、新たな職務、事業など)
などの組み合わせで短期のモチベーションだけではなく、中長期のモチベーションの向上に結び付けることです。
付加価値を生み出す人財を長期にわたり引き付けられる仕組みであること、そして、そういう人財を奨励する風土をつくることが評価制度構築には不可欠です。
弊社では、御社の皆が納得できる評価制度を構築することが可能です。評価制度でお悩みの方はまずは以下のセミナーにご参加ください。ページよりお問い合わせください。
人事評価制度を構築・運用するうえで最も重要なことは、公平・明確な評価の“ものさし”を設定し、それを社員にしっかりと説明、理解してもらうことです。具体的な指標や基準の設定方法、上手な運用方法にご興味がある方は、ぜひご参加ください。
また自社で人事評価制度を振り返るチェックシートもご用意しております。人事制度、評価制度、報酬制度、制度運用の4つのカテゴリ各10問ずつの設問にご回答いただきますと、御社の人事評価制度の構築・運用の状況、分析に基づく資料をお送りさせていただきます。ご希望の方は以下のリンクからお申し込みください。
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労働分配率を使った人事評価制度
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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