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『絞り込みの法則』資金を増やす要点は、客単価・利益率の改善にあり

2018.03.06

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中小企業が客単価・利益率の改善を行う際にポイントとなるのは、『絞り込みの法則』です。

今回は2つの事例を交えてお伝えしますので、自社の強みを『絞り込み』で明確化し、売上を上げずに、客単価・利益率の向上に努め、資金を増やしてください。

INDEX

中小企業が客単価・利益率の改善を行う際にポイントとなるのは、『絞り込みの法則』です。

  • [1]商品・サービス
  • [2]顧客
  • [3]エリア

上記いずれかを絞り込むことによって、“ナンバー1”“オンリー1”を築くのがセオリーです。

今回は私が全国の勉強会で出会った巧みな絞り込みを行っている会社を紹介します。

事例企業1(製造小売業)

 

北海道に高級家具を製造し、全国の自社直営店やデパートで販売している製造小売の会社があります。

この会社は『商品』と『顧客』を見事に絞り込み利益率を伸ばしています。

この会社の商品は北海道産の木材を利用し、全て自社工場で製作しています。

他社の大手家具量販店とは一線を画し、3~5年でダメになるような消耗品の家具は作らず、30~50年は使える資産価値を持つ品質、デザイン性の高い家具を作ることを目指しています。

この思想の原点はヨーロッパの家具作りにあります。

ヨーロッパでは、家屋の築年数が数百年というのは決して珍しくなく、築年数が古いほど資産価値が上がる物件もあります。

家屋の修繕は欠かせませんが、築年数20~30年を経過し、外壁に苔が生えてきたあたりで、やっと一人前の家と呼ばれるのが普通なのです。

家屋と同じく家具も資産と捉えるヨーロッパの人々は、品質の良いものを長く修繕しながら使うことで、資産価値が高まると知っているのです。

この「資産価値を持つ家具を日本で製造・販売しよう」というところに、日本の家具業界を変えるであろう経営者の信念を感じます。

また、地産地消という考えもあり、その国で使う商品はその国の木材で作ります。

木材自体がその国の環境で育っているので、その国の気温や湿度などの環境に最も適応しやすく、長く使える家具になるとのことです。ゆえに、輸入家具と一線を画します。

このような信念も含めて、顧客に高単価商品を買っていただけているそうです。

また、この会社では明確なターゲットが存在します。

「90%の顧客に買ってもらえない家具を作る」

つまり、上位10%の顧客層にだけ、資産価値(地産地消で長く使える一流の品質/一流のデザイン)を持つ高単価の家具を提供しようと最初から決めているのです。

全ての消費者に愛される家具作りだと、結局は大手家具量販店の追随になります。

よって、売上を上げるため、やみくもに直営店を増やすのではなく、市場規模を鑑みて店舗数の限度を決めてしまいます。

国内市場では客単価をさらに高めるべくその顧客層を深堀りしていき、一方で成長戦略としてアジア市場の上位層を狙うために海外進出しています。

「上位の顧客層に熱狂的に支持される家具作り」

自社の絞り込んだ顧客層をずらすことなく、客単価を重視。一貫した営業戦略です。

事例企業2(家電製品卸売業)

次に東日本で家電製品卸売業を行っている会社を紹介します。

家電製品卸売業……。失礼ながら私には儲かるイメージが全くありませんでした。

大手家電量販店は直接メーカーと取り引きするため、中抜きをする卸売業者は使われず、業績は厳しいと予想したためです。

しかしながら、この会社は年商数十億円ながら、毎年売上高を決して伸ばさずに維持し、利益率の向上に努めている会社なのです。
つまり、売り方を変え続けているのです。

この会社も『顧客』を見事に絞り込んでいました。

卸売業者と言えば、多種多様な商品を扱い、在庫を大量に抱え、既存の取引先にルートセールスをするというイメージがあります。

しかし、この会社はそのような営業はしません。

この会社ではこれと決めた商品を仕入れ、売りたい顧客に売りたい商品を提案していくのです。

そして、その営業先を決める際に使われるのが、価格ドットコムなどの比較サイトです。

ただし、そこで自社商品を売るのではありません。

通常、比較サイトは個人が家電製品などを購入するのに利用します。その大半は価格の安い順番に並べ替え、希望の商品をより安価に購入するために使用しているでしょう。

しかしこの会社では、仕入れた家電の型番を入力し、比較サイトで価格の高い順番に並べ替え、自社よりも高く仕入れていると思われる会社を抽出し、そこにアプローチするそうです。

当然、同じ商品をもっと安く仕入れることができるのであれば、どの企業も話を聞いてみたいと思うものです。

ゆえに、この会社の顧客は、自社がある地域にはほとんど存在せず、全国の小さな家電販売店やネット家電販売店などです。

この売り方・絞り込みの根底にある思想は、「売上を伸ばすのではなく、自社に資金・利益をもたらす顧客はどこにいるか?」という、顧客を探す発想から生まれた戦略でした。

ぜひ、皆さんも自社の強みを『絞り込み』で明確化し、
売上を上げずに、客単価・利益率の向上に努め、
資金を増やしてください。

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