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経営計画の立て方を分かりやすく解説|経営計画を立てる際の注意点も

2022.12.23

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経営計画を立てたいと思っても、何からはじめたらよいか分からない方も多いのではないでしょうか。企業が継続的に利益を出し、成長し続けるためには経営計画の策定が必要です。経営計画の立て方を正しく理解しておけば、会社が将来的に目指すべき姿を明確にできます。

今回は、経営計画を立てるための調査・分析方法や注意点を解説します。これから経営計画を立てる方はもちろん、今一度経営計画を見直したい方もぜひご覧ください。

目次

1.経営計画の立て方

経営計画とは、経営目標を達成するために作られる行動計画のことで、「将来的に到達したい姿」までの道しるべになるものです。この道しるべを作るためには、自社の現状を正しく把握し、具体的に何をすべきかを明確にすることが大切です。自社の「ありたい姿」を明確にし、目標までの進め方を決めるためには経営計画の策定が重要と言えます。

出典:中小企業庁「経営革新計画進め方ガイドブック」

出典:中小企業庁「経営計画策定支援」

経営計画とは?経営計画を立てる目的と必要なタイミングを解説

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経営計画は策定したほうがよい?策定の流れやポイントを解説

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ここでは、具体的な経営計画の立て方について解説します。

1-1.外部環境を分析する

経営計画を策定するには、まず自社を取り巻く環境を分析することからはじめましょう。外部環境分析は、以下の3つの観点から行うことで体系的に把握することができます。

・マクロ環境分析

自社の事業に影響を与える政治、経済、社会、技術などの外部要因について分析することをマクロ環境分析といいます。マクロ環境分析は、事業構造を変化させるための経営計画を作成する場合にも有効な手法です。ただし、業種や企業規模などから見て、影響度が弱いと思われる外部要因については簡単な分析で済ませるか、分析を省略しても問題ありません。

・市場調査

自社が参入している業界や、自社製品、市場規模の分析を行い、今後の見通しについて調査、分析を行います。市場調査では、市場の成長性や収益性、海外市場への進出は可能かなど、複数に渡る項目を調査します。また、顧客のニーズや課題を調査した上で効果的な商品開発を行う必要があるため、アンケート調査やインタビュー調査などを実施するケースも少なくありません。

・競合調査

経営計画を作成する際に、自社と競合することになる企業の分析を行います。競合企業と自社を比較することで、自社の強みや弱みを把握することが可能です。調査では、競合企業の市場やターゲット、商品・サービスの特徴などの分析を行います。

1-2.自社の現状を分析する

経営計画を作成するためには、自社の状況を把握することも重要です。自社の現状を分析する方法は、以下の3つに分けられます。

・経営資源に関する分析

経営資源とは、企業経営において必要な人や財務に関するリソースのことを指します。経営資源は、主に「組織分析」と「財務分析」に分けて調査・分析を行います。

組織分析では、組織体制や人事システム、現状の人員配置状況などを確認し、自社の組織形態を明確にしましょう。

財務分析では、資金管理や月次決算、原価計算などの管理がきちんと行われているかを確認します。

・経営資源の活用・管理に関する分析

業務システム分析とマネジメント分析を行います。

経営活動では、企業が顧客に製品やサービスを提供し、その後はアフターサービスを行うという一連の流れがあります。業務システム分析とは、経営活動における一連の流れの中に、どのような付加価値があるのか、問題点はどこにあるかを調査・分析することです。

マネジメント分析とは、経営資源の管理に関する分析を指します。組織内で必要な情報がスムーズに伝達されているか、モラルに問題はないか、報告・連絡・相談が確実に行われているかなどを調査します。

・製品分析

製品が市場に出てから退場するまでの期間を、「製品ライフサイクル」と言います。製品分析は、製品が現在ライフサイクル上のどこに位置するのかを確認し、自社の製品力を明確化することが目的です。製品ごとの売上や利益率を把握し、強化する製品と取り扱いを中止する製品の検討などを行います。

1-3.分析結果を整理して戦略を立てる

経営計画を立てるために分析した結果を、「SWOT分析」を用いて整理し、戦略の方向性を作ります。「SWOT分析」とは、外部環境が自社に与える市場の機会、脅威と、自社分析から明確にした自社の強み、弱みをそれぞれの観点から分析する手法です。SWOT分析を用いることで、自社が目指す「ありたい姿」の方向性を明確にすることができます。

外部環境要因 機会(Opportunity) 脅威(Threat)
外部環境によるビジネスチャンス
  • 経済:為替の変動
  • 技術:新技術の登場 など
外部環境によるビジネスリスク
  • 社会:少子高齢化
  • 政治:法律の改正や政治動向 など
自社分析 強み(Strength) 弱み(Weekness)
自社の強み
  • 製品力
  • 営業力 など
自社の弱み
  • 資金力
  • 人材 など

「SWOT分析」は、経営者だけが行うのではなく、社員全員で行うのがおすすめです。全社的に行うことで、社員一人ひとりのミッションへの理解が深まり、事業への当事者意識を持つことができます。

1-4.具体的な数値目標・行動計画を設定する

分析が完了したら、現状と未来のビジョンまでのギャップを埋めるための具体的な数値目標と行動計画を作成します。

数値目標では、必要となる資金や費用、売上計画や利益計画などを作成し、実現すべき数値を明確にします。「どの段階でいくら必要になるか」というお金の流れを把握し、資金調達や返済の計画策定を行いましょう。

行動計画では、費用削減のための行動や新商品販売、新店舗展開など、計画を実現するために具体的な行動施策を設定します。また、経営計画の実行においては部門や個人ごとに異なる動きをする必要があるため、行動計画は会社、部門、個人ごとに作成することが望ましいです。

2.経営計画を立てるときの注意点

経営計画の作成は、会社が将来の「ありたい姿」を実現するためにとても重要です。経営計画を作成することで、目標のためにすべきことを明確にでき、着実に前に進むことができるでしょう。しかし、計画を立てる際には注意すべき点もあります。

ここでは、経営計画を立てるときの2つの注意点について解説します。

2-1.コンピテンシートラップに注意する

コンピテンシートラップは経済学の用語で、企業が主力事業や過去の成功体験にとらわれ、従来の商習慣や方法論に固執し、新たな可能性の発掘を怠ることを指します。

コンピテンシートラップに陥ると、確実で短期的な利益を追求し、既存の事業のみを深堀りするようになります。これを「知の深化」と呼びます。企業が存続していくためには、新たな価値を生み出し、革新や変革を求め続ける「知の探索」も重要です。

目先の利益にとらわれ、既存の価値を高めることだけに集中する「知の深化」だけに偏ってしまうと、中長期的な成長を妨げる原因になります。コンピテンシートラップに陥らないためにも、知の探索も同時に行い、外部環境の変化に対応しながら能力を拡大し続ける努力が必要です。

2-2.計画に矛盾が生じないようにする

経営計画を立てる際は、目標や数字に矛盾が生じないようにすることも重要です。

例えば、現状1日の平均来店数が50〜100人程度なのにもかかわらず、計画では1,000人の来店目標を掲げてしまうことがあります。この場合、目標数を下げるか、戦略内容の見直しが必要です。

高すぎる目標を立ててしまうと、具体的な戦略や数値の設定条件に矛盾が生じます。無理な計画や目標は立てず、計画に矛盾が生じないようにすることが重要です。経営計画を立てる際は、矛盾点がないかを忘れずに確認しましょう。

まとめ

経営計画は、分析や調査なしに作成すると計画倒れに終わってしまう可能性が高まります。外部環境や自社の現状を分析し、戦略を立てることが実現可能な経営計画を作成するポイントです。また、目標を達成させるための数値目標・行動計画を設定すれば、会社・部門・個人ごとに目標までの動きがイメージしやすくなります。

経営計画を立てる際は、内容が矛盾していないか、会社を成長させる上で既存のやり方ばかりにとらわれていないかを注意しながら作成を進めましょう。

(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)

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この記事の著者

NBCPlusオンライン編集部

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