現代の中小企業は激変する経済環境に直面しています。競争が激化し、技術の進化、社会の変化などが絶え間なく起こります。この厳しい状況下で企業の成功を切り拓くためには、経営分析が不可欠です。
このコラムでは、中小企業の経営者や後継者・役員幹部・管理者やリーダーの方々のために、経営分析の手法に焦点を当て、大まかな分析の種類とその活かし方を簡潔にご説明します。また、無料で出来る経営分析についてもあわせてご案内します。
中小企業専門の経営コンサルタントが、
御社の経営分析を無料で行います。
課題と改善の方向性が明確になります。
目次
1. 財務分析
収益性、流動性、負債、資産などの財務指標を評価することで、企業の財務状態を把握できます。バランスシートや損益計算書を用い、経済的な健全性を確認しましょう。
- 数字だけでなく、財務状態の変動の背後にある要因を理解するために、数年間の実績推移の把握や業界平均値との比較を実行する。
- 将来の投資や資金調達に備えて、適切なリスク管理策を導入する。
「財務や収益性をきちんと把握したいが、じっくり勉強している時間がない…。」
「税理士や銀行が指標を出してはくれるが、一つひとつの意味合いを理解しきれない…。」
忙しい経営者・財務を勉強したい後継者・幹部の方のためにー。是非活用ください。
2. SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)
よく使われるSWOT分析は、企業の内部および外部環境を評価し、強みや弱み、機会や脅威を把握します。そのうえで、自社がとるべき戦略を整理します。具体的な手順を踏んで、組織のポジショニングを理解しましょう。
- 未来志向で潜在的な機会と脅威を見つけ、競合他社の動向も考慮に入れる。
- 強みや弱みを客観的に評価するため、内外のステークホルダーと協力して情報を集める。
3. PESTLE分析
政治、経済、社会、技術、法律、環境の6つの要因を考慮するPESTLE分析は、急速な外部環境の変化を踏まえた判断や対応を行う上でも役に立ちます。各要因の影響を検討し、適切な戦略を策定します。
- 長期的な視点での分析を行い、将来のトレンドを予測する。
- 各要因の変化が企業に及ぼす影響を深く理解するために、専門家や業界団体の意見を取り入れる。
4. 顧客分析
顧客のニーズや嗜好を常に把握することはビジネスの成功の鍵です。顧客のフィードバックや市場調査を通じて、商品やサービスの改善点を見つけましょう。また、取引活動においては、顧客を重要度に基づいて優先順位付けするABC分析や顧客別資金管理、原価管理なども有効です。
- リソースと収益を最大化するために顧客を分類し、取引に応じて必要な仕組みを講じられる体制を確立する。
- 競合他社との差別化ポイントを見つけ、それを顧客に明確に伝える。
5. 競合分析
競合他社の動向を把握することで、市場の変化に適応しやすくなります。他社の強みや弱みを知り、自社の戦略を見直しましょう。
- 競合他社の未来の計画や新製品の開発方針を予測し、それに対抗するための戦略を立てる。
- 自社の競争力を維持するために、効果的な市場調査を行い、トレンドをキャッチする
6. 社風分析(社内風土調査・エンゲージメント調査)
冒頭に財務分析、収益分析について触れましたが、決算書の数字を作り出す社員、あるいは社内風土の分析を行うことで、利益率を高める活動をする上でボトルネックとなる問題と課題を整理し、働く「人」の面から改善の取り組みを講じます。
- 中小企業においては、従業員のモチベーションや満足度が経営に大きな影響を与えるため、
社風調査の分析から、人的資本の最適な活用や組織の効率向上に向けた戦略策定を行う。 - 調査の際のアンケートは、従業員から本音が吸い上げられるよう工夫を加える。
- 従業員からの単純な不平不満の吸い上げとならぬよう、設問項目には留意する。
7. 経営分析の活かし方_成長戦略の構築
上記の分析をもとに、中小企業が持続的な成長を達成するための戦略を構築します。戦略の柔軟性と実行可能性を重視し、着実な実践を目指します。
- 戦略の実行可能性を確保するために、組織内のリーダーシップと協力体制を整える。
- 成果をモニタリングし、状況に応じて戦略を適応させる仕組みを構築する。
8. 経営分析の活かし方_経営革新のためのデジタル化手法の導入
現代のビジネスではデジタル技術が不可欠です。経営分析に基づき、あるいは分析を行えるようにするために経営プロセスを効率化し、競争優位性を築くデジタル化手法の導入を、以下に留意しながら行いましょう。
- デジタル化は単なるツールではなく、組織文化への浸透が重要。
推進に向け、従業員へのトレーニングや意識改革を行う。 - セキュリティ対策やデータの適切な活用方法に重点を置き、リスクを最小限に抑え、効果の最大化を図る。
9. 経営分析の活かし方_継続的なモニタリングと改善
経営状況は常に変化します。定期的なモニタリングと改善プロセスを確立し、柔軟かつ効果的な経営を実行しましょう。
- データ駆動型のアプローチを取り入れ、意思決定を客観的な情報に基づかせる。
- 変化への適応力を高めるために、分析手法や結果の活用において組織全体での学習と改善を奨励する。
10.まとめ
このコラムでは、代表的ないくつかの経営分析の手法からその活かし方までを簡単にご説明しました。経営分析は企業の過去(実績)と未来を見据え、持続的な経営を計画的に実行するために不可欠な手法です。中小企業の経営者や後継者は、中小であるからこそ感覚ではなく、大手に負けない、冷静かつ客観的な現状把握と対策の立案が重要ではないでしょうか。
「データという客観的な事実」に基づいた考察と舵取りとを行い、御社の経営に、強い、確かな取り組みを導入してください。
経営分析の手法の詳細は、他の記事でもご紹介しています。よろしければ是非、そちらもご一読ください。
国内最大級のコンサルティングファームであるNBCの経営力診断調査では、財務・収益性などの『決算書分析』に加え、独自のアンケート調査『社風分析』を行うことで、決算書という目に見える数値(結果)を生み出している、目に見えない原因(社風)を明らかにします。
計数と人の両面から経営分析を行い、中小企業の課題を抜本的な解決に誘います。
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