業務の中核に「経営状況の分析」があります。改善を依頼された企業の詳細な分析を通じてこの先の向かうべき方向性を指南し、改善方針を打ち立てていきますが、分析のツールに「SWOT分析」というフレームワークをかなりの頻度で用います。今回はこの「SWOT分析」について解説します。
目次
SWOT分析とは
SWOTとは外部環境や内部環境を
- 強み (Strengths=S)
- 弱み (Weaknesses=W)
- 機会 (Opportunities=O)
- 脅威 (Threats=T)
以上4つのカテゴリーで要因分析し、事業の環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つで、ご存知の方も多いかと思います。
So What?
このSWOT分析をすると多くの経営者はこのように感じるそうです。「それで何なの?」
確かに分析を見てもそれで自社は何をしたらいいのかという「So What?」がなければどんなに秀逸な分析であっても「喰えない餅」でしかないのです。
「絵に描いた餅」で終わらないためにはその先の「クロスSWOT分析」まで進めなければ「対策」とはなりません。
クロスSWOT分析
クロスSWOT分析とは、前述までのSWOT分析をベースとして強み・弱み(内部環境)と機会・脅威(外部環境)をその名の通りクロスさせ、戦略代替案を検討する方法です。それぞれ以下のように考えていただくと有効です。
- 強み×機会→<積極的攻勢>強みを生かして機会を勝ち取る。
- 強み×脅威→<差別化戦略>強みを生かして脅威を機会にするためにどう差別化するか。
- 弱み×機会→<弱点強化> 弱みを克服して機会を得るためには何をするのか。
- 弱み×脅威→<防衛策> 最悪のシナリオを避けるために何を考えるべきか。撤退判断も辞さない。
不安定時代の中で・・・
これらのクロスSWOT分析をしていくとあることに気づきます。それは「撤退判断=やらないことを決める」ことの難しさです。
何かを新しく始めたり、今まで行ってきたことを継続することは比較的得意にしている経営者の方は多くいらっしゃいます。
しかし『やらないことを決める』ことがなかなかできない社長が多くいると現場で感じます。資金改善、経営改善の現場においても様々な経営判断を迫られるのが経営者の実態です。もちろん、正解などない世界で生きてこられたために、『今までしてきたことを辞める』=『仕事を減らすこと』と考える方ばかりでした。
私はそうではなく、【やり方=売り方、作り方を変える】ということをお伝えしています。
大きく世界情勢が変わろうとしており「不安定な時代」に突入したといわれています。ずいぶんと「やり方」について言及しましたが根底には「あり方」があることもお忘れなく。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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