「意外と間違いに気付かない中小企業経営の実務」の第3回目は、中小企業において評価制度を導入・構築する際に、見落としがちな勘所を紹介します。
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目次
評価制度を導入するときに絶対外せないポイント
それは、そもそも何のために評価制度を導入するのかという「評価制度導入の目的」です。
組織を活性化したいからでしょうか?
頑張った人を認めてあげたいからでしょうか?
先代の鉛筆なめなめを無くしたいからでしょうか?
それとも、人件費のコントロールでしょうか?
企業によって様々な目的があると思います。
しかし、どのような企業でも共通かつ根本的に外してはいけないポイントがあります。
それは、「人の成長・企業の成長のために制度を導入する」という考え方があるかどうかです。
評価制度は「人の成長を推進するためのツール」です。そのため、ただ単に仕組みとしての評価制度を導入しても、評価の見える化はできますが、継続的に組織が活性化したり、今よりももっと頑張ろう・成長しようという社員が増えるわけではありません。
結果、導入当初の目的は果たせないまま評価制度が形骸化していく……。そんな企業を数多く見てきました。
では、「人の成長・企業の成長のために制度を導入する」という考え方があるとどうなるのでしょうか。
まず、「成長」というものには短期的な視点だけでなく中長期的な視点が必要となります。自ずと企業に中長期の展望が必要となり、長期事業構想(10~15年)や中期経営計画(3~5年)を整えることになります。
また、何のために計画を達成させるのか、達成した先に何が実現できるのか、という経営の目的も整理されるため、経営者・経営幹部・社員のベクトルを合わせることにもつながります。
さらに、中長期の計画から、未来の組織イメージや企業にとって必要となる人財像が見えてきますので、経営者・幹部・社員が何を成長させていくべきかという、各個人の成長課題やテーマも見えてきます。
つまり、会社・部門・個人の中長期の成長課題やテーマが明らかになり、取り組むプロセスと活動基準を作り、実行・評価・改善していく、いわゆるPDCAを回していく中で、短期だけでなく中長期でも成果を出せる組織へ転換していきます。
成長課題やテーマに対する活動や成果への過程を会社・部門・個人で評価する仕組みを導入すれば、それが評価制度そのものになります。
いかがでしょうか?評価制度の導入や修正を検討されている方の参考になれば幸いです。なお、弊社では、自社の人事評価制度が振り返りができるチェックシートをご用意しております。
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NBCコンサルタンツ株式会社
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