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マネジメントとリーダーシップ|定義と役割、必要なスキルを解説

2022.08.08

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企業や組織では、「マネージャー」や「リーダー」と呼ばれるポジションをよく見かけます。マネージャーとリーダーが持つべき「マネジメント」の能力と「リーダーシップ」は、非常に混合されやすいものですが、実際にはさまざまな違いがあります。

そこで今回は、マネジメントとリーダーシップの定義をもとに、両者の違いを紹介します。あわせて必要なスキルについても紹介するため、マネージャーやリーダーとして活躍したい人や、組織を発展させる人材を育てたい人は、ぜひ参考にしてください。


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目次

1.マネジメントとリーダーシップとは?

管理者に必要なスキルとして、マネジメントとリーダーシップがあります。どちらも人を動かし組織を運営するために必要なものですが、本来マネジメントとリーダーシップは異なる能力です。

リーダーシップとマネジメントの違いを認識することで、両方のスキルをシーンに応じて使い分けでき、チームの運営や業務管理がスムーズに進むようになるでしょう。ここでは、マネジメントとリーダーシップ、2つの能力について詳しく解説します。

1-1.マネジメントの定義

マネジメントとは、本来「管理」や「経営」を意味する言葉ですが、現在は会社やチームの組織管理・運営を示す言葉として使用されるケースが増えています。マネジメントという言葉を世界に広めた経営学者P.F.ドラッカーは、著書「マネジメント」内でマネジメント・マネージャーという言葉を以下のように定義しました。

  • マネジメント:組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関
  • マネージャー:組織の成果に責任をもつ者

また、P.F.ドラッカーは、マネジメントの役割として、以下の3つを挙げています。

  • 自らの組織が果たすべき使命を達成する
  • 仕事を通じて組織で働く人を生かす
  • 社会の問題に貢献する

どれも当然の役割に見えますが、組織で働く人たちに自己実現できる場を与えつつ、社会貢献できるプロジェクトを達成させることは、企業を運営する上で重要なステップです。

1-2.リーダーシップの定義

リーダーシップとは、組織のミッションを達成するために、個人やチームを先導する力を指します。本来リーダーシップは、「指導力・統率力」を意味しますが、組織運営の上では、個人やチームのモチベーションを維持・向上しながらミッションを達成することが重要です。

また、リーダーシップ理論を語る上で重要なものに「PM理論」があります。PM理論とは、リーダーシップ理論の1つで、チームの発展に重きを置いた考え方です。PM理論において、リーダーシップは、「Performance function(目標達成機能)」と「Maintenance function(集団維持機能)」の2要素で構成されています。

PM理論では、リーダーを2要素のバランスによって4つのタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)に分類しています。中でも理想的なリーダーとされているのは、目標達成機能と集団維持機能の2要素をいずれも強く持ち合わせている「PM型」の人物です。

2.マネジメントとリーダーシップの違い

マネジメントもリーダーシップも、チームメンバーを動かしながら組織で成果をあげるために必要な能力ですが、2つの能力には明確な違いが存在します。ここでは、「目的」「心構え」「必要なタイミング」の3つの観点から、マネジメントとリーダーシップの違いを詳しく解説します。

2-1.目的の違い

マネジメントとリーダーシップの目的はそれぞれ下記の通りです。

【目的の違い】

マネジメント 短期的なプロジェクト達成に向け、計画・予算・人材の割り振りなど細かな計画や戦略を決定すること
リーダーシップ 企業理念やビジョンのような長期的な目標を達成するために、チームの方向性を明確にし、影響力を発揮すること

マネジメントは定量的かつ短期的な目標達成を目的にしているのに対し、リーダーシップは、抽象的かつ長期的な目標達成を目的にしていることが大きな違いです。

長期的に見据えたいビジョンが定まったら、まずはリーダーシップを発揮しチームの方向性ややるべきことを示します。プロジェクト達成までのステップを分解し、チームメンバーに棚卸し・調整するためには、マネジメント能力が必要となります。

2-2.心構えの違い

マネジメントとリーダーシップに求められる心構えはそれぞれ下記の通りです。

【心構えの違い】

マネジメント マニュアルの原則に従いながら、論理的に行動してプロジェクトを達成させる心構え
リーダーシップ どのような状況下でも先陣を切ってメンバーを導き、プロジェクトを最後まで諦めずに達成・成功させる心構え

マネジメントにおいては、チームメンバーが置かれている環境を冷静に分析し、着実にプロジェクトを進捗させる必要があります。そのため、いかなる時も感情的にならず、論理的な判断をすることが重要です。

一方、リーダーシップにおいては、プロジェクトに問題が生じた時でも不安を見せることなく指針を示す必要があります。メンバーに不安が広がらないよう強靭な精神を持つことが重要です。

2-3.必要なタイミングの違い

マネジメントとリーダーシップが必要となるタイミングはそれぞれ下記の通りです。

【必要なタイミングの違い】

マネジメント 確実にプロジェクトを進める時
リーダーシップ 新しいなにかを立ち上げる時、組織が停滞している時

組織は「形成期」「安定期」「変革期」の3つのフェーズを経て成長します。

「形成期」には、新規組織やプロジェクトの立ち上げを行うため、マネジメントよりリーダーシップが必要です。順調にプロジェクトが進み「安定期」に入ると、いくつかの成功パターンが見え、安定した成長が見込めます。ここで必要となるのがマネジメントです。

しかし、プロジェクトを遂行していると成功パターンが通用しない課題に直面することもあるでしょう。「変革期」には、組織を運営しながら新たな要素を取り入れつつ解決策を導き出す必要があるため、マネジメントとリーダーシップの両方が必要です。

3.マネージャーとリーダーに必要なスキル

マネジメントとリーダーシップにはさまざまな違いがあり、マネージャーとリーダーに求められるスキルも異なります。ここでは、マネージャーとリーダーの両方に求められるスキル、マネージャーに必要なスキル、リーダーに必要なスキルにわけて詳しく紹介します。

3-1.共通して必要なスキル

まず、マネージャーとリーダーに共通して必要なスキルは、以下の6つです。

  • 意志力
  • 先導力
  • 決断力
  • コミュニケーション能力
  • 人材育成能力
  • 事務処理能力

周りのメンバーが不安になることなくプロジェクトを達成するためには、目標に対し確実に進捗させる意志の強さと先導力、素早く決断を下すための決断力が必要です。また、多くのメンバーを束ねる立場にあるため、コミュニケーション能力や人材育成能力も必要でしょう。

最後に忘れがちなスキルが事務処理能力です。組織を代表する立場になると、決裁の範囲が広がるだけでなく重要書類の作成なども増えるため、事務処理能力も高めておくとスムーズに業務を行えます。

3-2.マネージャーに必要なスキル

続いて、マネージャーに必要なスキルは、以下の4つです。

  • 計画性
  • 論理的思考力
  • コーチング力
  • 傾聴力

マネージャーの役割は、現場が置かれている環境を把握し、プロジェクトの進捗管理をすることです。そのため、どのような時でも事実ベースで考えられる論理的思考力や計画性が必要です。

また、マネージャーにはメンバーからのさまざまな意見が集まります。周囲の意見をしっかり聞ける傾聴力や、適切なアドバイス・評価をするコーチング力も必要です。

3-3.リーダーに必要なスキル

最後に、リーダーに必要なスキルは、以下の3つです。

  • 先見性
  • 目標設定力
  • 人間的魅力

リーダーの役割は、チームの方向性を明確にし、影響力を発揮することです。そのため、ビジネスにおいて先を見据える力や、明確な目標を設定する力が重要になります。

また、リーダーは、人の上に立つ存在です。いくら能力が高くても「この人についてきたい」と信頼される人でなければチームはまとまりません。リーダーには、尊敬できる所や魅力も必要になります。

まとめ

管理職には、マネジメントやリーダーシップのスキルが必要です。どちらも人を動かし組織を運営していくために必要な能力ですが、マネジメントは短期的なプロジェクト達成を目的とする一方、リーダーシップは長期的な目標達成を目的とするなど、細かく分解するとさまざまな違いがあります。

そのため、必要となるスキルもマネージャーとリーダーで大きく異なります。このような違いが分かると、人の上に立って組織を運営する立場になった時、目指すべき人物像がより明確になるでしょう。企業の安定的な成長を担うためにも、リーダー育成に力をいれることは必要不可欠です。

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この記事の著者

NBCPlusオンライン編集部

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