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経営幹部とは|役員・管理職との違い・求められるスキル

2023.06.27

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発展途上にある中堅企業・中小企業がさらなる成長を遂げるためには、社長などの経営者をサポートする「経営幹部」の存在が重要となります。しかし、経営幹部の役割や求められる資質・スキルについて具体的にイメージできず、経営幹部候補の採用・育成に踏み切れない企業もあるのではないでしょうか。
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当記事では、企業における経営幹部の定義や役割、経営幹部と役員・管理職との違いについて解説します。幹部の仕事内容や幹部に求められる能力、幹部候補生を育成する際の課題や基本的な流れも併せて解説するため、戦力になる幹部候補採用の参考にしてください。

目次

経営幹部とは?

企業における幹部(経営幹部)とは、取締役や執行役のような、企業における「業務執行権」を持っている人材を指します。誰もが経営幹部になれるわけではなく、企業の発展に貢献できる優秀な人材が幹部として登用されることが一般的です。

企業における幹部は、企業の事業内容を総合的に分析し、企業が利益を出すための方策を考えたり、企業の将来を左右するような決断を下したりといった重要な役割を果たします。また、経営者が最終的な意思決定を行う際に情報面や知識面などでサポートすることも、企業における幹部の大切な役割の1つです。

経営者がどれほど優秀であっても、専門外の領域には明るくないことがある上、必要な情報が不足していれば不適切な経営判断を下してしまう場合もあります。企業を大きく成長させるためには、企業全体の事業を正しく把握・分析できて経営者の判断をサポートできる優秀な幹部が必要です。

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経営幹部と役員の違い

経営幹部は企業において経営者をサポートする役割を担うことから、企業における「役員」と同様に捉える人も少なくありません。経営幹部が役員を兼ねているケースもありますが、厳密に言うと「経営幹部」と「役員」は異なるものです。

経営幹部は、企業が利益を出すためにどのような活動をすればよいか主体的に判断し、経営に関する意思決定を経営者とともに行う人材の総称です。役員も経営幹部と同様に、会社の経営に責任を持つ立場にある役職ですが、経営幹部は法律による定義がない一方、役員は会社法などによる定義があることに留意しましょう。

経営幹部と管理職の違い

経営幹部は役職がついていることも多いため、「管理職」とも混同されがちです。しかし、幹部は企業の事業全体を俯瞰的に見て経営判断を行うのに対し、管理職は部署内の部下を管理する役割を担うという違いがあります。幹部と管理職では、担当する部署・組織や手がける業務の範囲が異なることを押さえておきましょう。

なお、管理職と似ている言葉として「管理監督者」がありますが、「管理職=管理監督者」とは限りません。管理職は企業によって定義が異なりますが、管理監督者は労働基準法で定義されている役職であり、「重要な職務や責任・権限がある」などの条件も定められています。企業にもよりますが、管理職の一部が管理監督者に該当すると考えてよいでしょう。

幹部に必要な5つの能力

企業の幹部として社員に活躍してもらうためには、幹部に必要な能力を幹部候補の人材が備えているかどうか、見極めることが大切です。ここでは、幹部に必要な5つの能力について詳しく解説します。社員の適性や能力を考慮した上で、幹部としての採用・人材育成を考えましょう。

迅速な意思決定能力

企業側がどれほど準備や対策を行っていても、法律や制度の急な改正や顧客からの難しい要望に対応せざるを得ないケースは多々あります。また、社員の不祥事などのアクシデントに見舞われる可能性もゼロとは言えません。

幹部は不測の事態においても迅速に対応し、意思決定を行って結果を出すことが求められます。適切な判断を下すための的確な情報収集能力や論理的思考力、課題解決力、企業の将来に悪影響を及ぼさないような判断をするためのバランス感覚が要求されるでしょう。

経営的な視点

幹部は企業の経営に主体的に関わり、さまざまな判断を下して経営戦略を考え続けなければなりません。幹部となる社員は、経営的な視点から物事を見ることができる必要があります。

また、幹部として判断したことを実行するためには、管理職や一般社員など社内の人材をうまく配置し、有効に動かすことが大切です。経営者・幹部としてのマネジメントスキル・ビジネススキルとともに、現場におけるマネジメントスキルも身につけておく必要があるでしょう。

高い対人関係能力

幹部は、部署やチームの垣根を越えた調整役やまとめ役を担うことも少なくありません。マネジメントスキルを磨くとともに、コミュニケーション能力やヒアリング力、交渉力、リーダーシップ力といった対人関係能力・人間性を高めていく必要があるでしょう。

このような高い対人関係能力を持たない場合、幹部としての求心力が不足し、社員やチームのメンバーとの信頼関係を適切に構築できない恐れがあります。また、取引先などとの関係を良好に保つことも難しいでしょう。企業の成長・発展につなげるためには、社内・社外を問わず高い対人関係能力を発揮できる人材を幹部として登用することが大切です。

管理領域での専門性

幹部の主な役割は、経営者が適切な判断を下せるようサポートすることです。そのためには、自身が管理する領域における専門性を高めておくことが重要です。

専門的な知識やスキルを持っていないと、実際の現場を十分に理解できず、適切な経営判断が行えないというリスクにつながる恐れがあります。「現場が抱える課題は何か」「何が現場の負担となるのか」を的確に把握するためにも、自己研鑽して自身の管理領域における専門性を高めることが大切です。

3年後・5年後を見据えた先見性

企業を取り巻く状況は日々変化しています。企業が世の中の大きな変化に対応し成長していくためには、将来的な世の中の様相と自社の姿を考えられる「先見性」を備えた幹部を登用することが大切です。

世の中が変化するきっかけはさまざまであり、偶発的に発生する出来事も多いことから、数十年先の未来を考えることは難しいでしょう。しかし、3年後・5年後といった近い未来の姿であれば、現在の社会現象や各種統計などを分析し、イメージすることも可能です。少し先の未来を具体的に想像しながら、自社のビジョンを実現していける人材を登用しましょう。

幹部の育成は難しい?よくある課題

社内の優秀な人材から幹部を育てるためには、一般的な社員を育成する場合とは異なる課題があり、うまく育成が進まないことも少なくありません。
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幹部を育成する際に発生しやすい課題としては、以下のようなものが挙げられます。

■幹部を育成する際に発生しやすい課題

  • 幹部向けの研修をしたものの、幹部としての役割を実行できていない
  • 幹部がプレイヤーとして活動している
  • 幹部が現場のマネジメントだけに集中してしまう

上記のような課題を抱えないためにも、ポイントを押さえた幹部育成を行う必要があります。ここでは、幹部を育成するための基本的なポイントや流れを解説します。

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幹部を育成する際のポイント・流れ

従業員を幹部として社内育成する際には、まず幹部の役割や価値観、ミッションを明確にして伝えることが大切です。経営者をサポートし、経営者と社員をつなぐ立場となることを十分に理解してもらった上で、以下の流れに沿って幹部育成に向けた教育を行いましょう。

■幹部を育成する際の流れ

(1)育成の方向性を決める
自社の将来や環境の変化を考えながら、幹部育成の方向性を定め、育成計画を立てましょう。
(2)幹部候補を選抜し、具体的な育成方法・内容を決める
育成の方向性や計画に基づき、幹部としての資質・適性を持つと考えられる社員を選抜します。選抜した社員の傾向を分析し、育成方法・育成プランを具体的に決めて育成体制を整えましょう。
(3)幹部候補の適性に応じた教育を行う
幹部を複数人育てるためには、幹部候補一人ひとりの適性に応じた教育を行うことが大切です。幹部候補本人との一対一での面談などを密に行い、経営幹部研修の実施や現場での経験など、社員ごとに最適な育成計画を考えましょう。

まとめ

経営幹部(幹部)は業務執行権を持ち、最終的な経営判断を下す経営者をサポートする立場の役職を指します。会社法で定義される「役員」や部署内のマネジメントを主な業務とする「管理職」とは異なるものであることに注意しましょう。
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幹部は誰もがなれるものではなく、高い意思決定能力や対人関係能力、経営的な視点などを兼ね備えている必要があります。企業のビジョンや育成方針を踏まえた上で、幹部候補となる社員に最適な育成教育を実施し、企業の成長・発展のための戦力となる幹部候補を育てましょう。

(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)

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この記事の著者

NBCPlusオンライン編集部

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