最近では岸田総理が「リスキリング」のために5年で1兆円を投じると所信表明しました。しかし社会人が一週間で勉強する時間はたったの7分だそうです。最近のVUCAやDX時代を生き抜くためには学び直しが必要になってきている中、どんな人材が学ぶ必要があるのか解説しています。
〔エッセンシャル版〕
企業・組織を率いる経営者・後継者・幹部社員に
必要なリーダーシップとは?をこれ1冊で。
目次
リスキリングが叫ばれる背景
突然ですが、あなたの部下は週に何時間くらい勉強しているでしょうか?
総務省統計局の『令和3年社会生活基本調査結果』によると、有業者の「学習・自己啓発・訓練」は週全体で、平均わずか「7分」とのこと(研修などの時間は除く)です。
ただし、すべての社会人が毎週7分ずつ勉強しているのではなく、勉強している人とまったく勉強していない人との平均値です。さらに、勉強している人の割合は全体の約4%で、勉強時間の平均は週全体で123分。一方、96%(!)の社会人が「0分」でした。
なお、過去1年間に何らかの勉強をしたという人の割合も約42%にとどまります。
継続的な賃上げが待ったなしの昨今、あらゆる企業に求められる変革コンセプトは、まぎれもなく「一人あたり付加価値(限界利益)額」の向上なのですが、盛んに“リスキリング”が叫ばれる背景をよく示しているデータです。
「みんな一生懸命がんばっている」?
2月上旬に国会答弁中の岸田首相が「育休中にリスキリングできるように支援する。」という主旨の発言で、
「育休は休みではない。」
「家事もままならない中なのに。」
「子育てしてこなかったのでは……。」
などの大きな批判を受けました。
発言の是非を問うつもりはありませんが、育休中かどうかに関わらず、勉強していない「96%」の社会人にもそれぞれ言い分があるような気がします。
「目先の業務で忙しい。」
「ただでさえ自分のことでいっぱいなのに。」
「現場がわかっていないのでは……。」
当然、企業として教育投資、研修・育成制度を充実させる必要はありますが、そもそも「学ぶ」ことへの強い動機付けがない限り、「笛吹けども踊らず」の状態は変わらないのではないでしょうか。
自らの給与・生活・人生について「自らが切り拓いていく」という自立した考え方が求められます。
中堅・ベテラン社員こそリスキリングを!
新人・若手社員の早期育成が、多くの企業で重要な課題であることは間違いありません。しかし、企業としてイノベーションを起こすためには、中堅・ベテラン社員こそ変革が必要です。
過去に実績があり、一定の成果が出せるようになると、多くの人はやり方を変えることを嫌います。特に人間力や現場対応力に長けた人ほどその傾向が顕著です。
「経験豊富なことが、かえって進化・変革の妨げになっていないか?」
―そう真摯に向き合うべきが、今という時代です。
「自己俯瞰力」と「価値を測るモノサシ(人事評価制度)」
よく「俯瞰力を身につけたい(身につけさせたい)」と言われますが、その前提は「自分自身を俯瞰すること(メタ認知)」です。
「自分が何を知らないのか(何を学ぶ必要があるのか)」が見えない限り、広い視野は獲得できません。
NBCの実践社長塾Ⓡでは、HM調査というツールを用いて自己俯瞰を実施します。経営幹部として見えていなかった自己課題を明確にしていきますが、周囲から直接的な指摘を受けることが少なくなっているであろう経営幹部が、自らの「進化ポイント」を見つけることが出発点です。
その上で、社員の皆さんには「給与の上げ方=価値の高め方」を示すことが求められます。将来自分自身がどのような価値を発揮すれば、どのように給与が上がるのか。そのためにどのような自己研鑽、自己学習、自己規制が必要なのか……。
人事評価制度を単なる「社員の格付け」とするのではなく、「自分自身の将来を可視化する共通のモノサシ」として定めていくことが大切です。
「リーダーの力量以上に組織は伸びない。」
このような言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
『真のリーダー10ヶ条』は、企業・組織を率いる経営者・後継者・幹部・管理者に
必要なリーダーシップ(あり方・実践力)についてまとめたものです。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。