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経営者の方から、新入社員についてこのような相談が多く寄せられます。
「会議の場で発言しない、自分の意見がない。」
「言われたことしかやらない。マニュアル通りにしか仕事ができない。」
「うちは社員が育たない、育てられない。」
そこで、どのような新人教育を行っているのか確認すると
「入社時にビジネスマナーの研修へ行かせた。」
「先輩社員に教育させている。」といった回答をいただきますが、社長や管理者が満足するような成長には至っていないようです。
さらに、新人教育に携わっている先輩社員の方にも確認してみると、次のような声が上がってきます――。
「10年前に作ったマニュアルしかないです……。」
「そもそも、教育担当者って誰ですか?」
「私もきちんと教育されたことなんてないです……。」
多くの中小企業において、人事や教育専任の部門を設ける余裕はありません。そこで必要となってくる教育の考え方が“主体性を持ち能動的に学んでもらう”ということです。
教わったことを四角四面に捉えるのではなく、自ら考えて行動(考動)する社員をいかに育てられるか?が重要です。
“主体性を持ち能動的に学んでもらう”ためのポイントが学習方法と平均学習定着率の関係性をあらわした『ラーニングピラミッド』です。
学習定着率 5% …… 講義を受ける
学習定着率10% …… 読書する
学習定着率20% …… 視聴覚(ビデオ・音声による学習)
学習定着率30% …… 実演を見る
学習定着率50% …… 他者と議論する
学習定着率75% …… 実践による経験・練習
学習定着率90% …… ほかの人に教える
誰かから講義・説明を受けた際の、学習定着率は5%程度しかありませんが、自らが誰かに「教える・説明する」ことで、学習の定着率は90%に高まります。
つまり、会社で「教育マニュアル」を用意し、何時間も掛けて先輩社員が説明するだけでは、高い教育効果は期待できません。新人社員も「理解したつもり」で終わってしまい研修時間が無駄になってしまいます。
講義や説明だけにとどまらず、「実演を見せる」「練習させる」「新人同士でグループ討論させる」などを組み合わせることで、学習定着率を高めることが可能です。
また、先輩だけが新人を教えるという固定観念にも大きな問題があると感じています。育ってきた時代や経験が違うのですから、新人が先輩に「教えられること」もあるはずです。
例えば……
- 前職で経験した良い慣習や仕組み
- スマホやPC、SNSの使い方
- 今の流行り
- 若者の思考や心理、世代差による考え方の違い
などであれば、新人の方が知識を持っていることも多いのではないでしょうか?
先輩社員からは「先輩でなければ分からないこと」を教わりつつ、「新人だからこそ分かること」を先輩社員に伝えても良いはずです。
“ほかの人に教える”ことの学習効果は非常に高く、新人自ら情報を仕入れ、人へ伝えるというプロセスを通じ、「人前で話す力」「考える力」「物事をまとめる力」を育めば、自ら考えて行動(考動)する社員へと成長する期待が持てないでしょうか?
ぜひ、型にはまらない実践的な教育手法を取り入れていきましょう。
さらに詳しく知りたい方は、YouTubeをご覧ください!
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