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自動車業界における差別化は「商品」ではなく「人」
最近、幹部・社員教育に関する依頼が増えてきています。
産労総合研究所の『2022年度 教育研修費用の実態調査』によると、従業員一人当たりの教育研修費用は、29,904円(2021年度実績)だそうです。
調査によると、前回(前年)調査に比べて5,063円、率にして20.4%増加しているものの、コロナ禍以前の水準には戻っていないとのこと――。
「コロナで業績は落ちたけど、だからと言って、幹部・社員教育をやらなくてよい理由にはならない。」
ある社長が先日こんなことをおっしゃっていました。教育の重要性を十分に理解されている社長です。
しかし、教育の効果とはそう短期間で出るものではありません。よって継続して取り組むことが必要です。
つまり、社員教育にどれほどの時間と費用を投下できるか?社長の決断と我慢が問われるところです。
また、ある社長に「どんな人材が欲しいですか?」と尋ねてみると、次の3点が上がりました。
- 主体性を持っている
- 多様性を受け入れる
- 道徳観を持っている
皆様はどのようにお考えでしょうか?同じ見解の方も多いかもしれませんね。
しかし、NBCでは少し異なる人物像を描いています。
まず自動車業界には、商品の差別化がほぼ不可能という特性があります。
また、資本力で中小企業がディーラーや大手に勝つことも難しいです。
そのため、中小企業がお客様から【選ばれ】、生き残るためには【人】で差別化するしかないのです。
お客様の選択基準
【人】で差別化し、お客様から【選ばれる】ためにも、まずお客様の選択基準を考えてみましょう。
お客様の選択基準は、生活関連費用の優先度が高い場合がほとんどです。
予算(収入)はある程度決まっており、その時々の必要性や優先順位に応じて予算が配分されます。
つまり、より一層の消費活動を促すには、必要性を感じていただくことと、
「あれよりもこちらが先(大事/お得/優れている……)だ!」と
優先順位を高めていただくことが必要です。
お客様から【選ばれる】ために
お客様から【選ばれる】ための方程式は以下です。
顧客満足=提供価値-事前期待
【選ばれる】ためには「こういうものだ。」「こうなんでしょ。」という
“お客様の事前期待”を上回る価値を提供しなければなりません。
先述のとおり、自動車業界には【人】でしか差別化が難しいという特性があります。
そのため、この方程式は
「御社の社員は、お客様の期待を上回る価値を提供できていますか?」と
換言できるでしょう。
【人】のブランド化に必要なこと
ブランド化とはお客様が「〇〇にいけば安心して▲▲のサービスを受けられる。」と立ちどころにイメージされることです。例えば、皆様もご存じの『うまい棒』は「サクサクした棒状のお菓子で、ビールのお供にもピッタリ!」とすぐにイメージが沸きますよね。
ブランドとは、お客様にそのサービスの特徴が知れ渡っており、その特徴に期待して商品を求めたり、サービスを受けたり、行動を促すことのできる力です。
中小企業にとって、商品・サービスのブランド化はなかなか難しいものです。しかし、提供する【人】のブランド化はすぐにでも着手できます。
最近はメーカーが車種を絞り、売れ筋商品の開発に力を入れているため、ディーラーは仕組みで販売する傾向になってきています。つまり【人】で売る営業は減りました。
だからこそ、商品・サービスに依存しない【人】のブランド化に中小企業が勝ち残るチャンスがあると思っています。
商品に依存しない「人づくり」を行なうために
「人づくり」に際し、
- 選ばれている理由
- どんなお客様から支持されているか
- 自社商圏でシェア率はどうなっているか など
定期的な足元の点検からはじめることをオススメします。
[参考]ランチェスター戦略に基づく自社商圏でのシェア率目標
・第1目標 6.8%(存在目標値)
・第2目標10.9%(影響目標値)
「ここのお店はいつ来ても最高!」
「○○さんには何でも相談できる。」
そんな『わが社のブランドになれる人』こそ、
NBCが考える、中小企業・自動車業界が求めるべき人物像です。
御社でも「人づくり」をはじめませんか?
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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