今回は、2021年1月19日(火)に公開した「社員教育4つのポイント」の続編です。
前回の記事で一倉定先生の「マネジメントへの挑戦」から以下の一節をご紹介しました。
企業内訓練のねらいは、企業の業績をあげるような行動をする従業員を作り上げることであるはずだ。
とすれば、そのねらいを実現することが真の教育であって、必ずしも形式的な教育訓練を意味しない。
否、形式的な教育訓練そのものだけでは、目的を達成することはほとんど不可能だと言っていい。
『マネジメントへの挑戦 復刻版』著:一倉定/日経BP
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この一節から、今回は「企業内訓練のねらいは、企業の業績をあげるような行動をする従業員を作り上げることであるはずだ。」
この一文について考えてみたいと思います。
目次
なぜ社員はやらない、やれないのか
上記の言葉を逆説的に捉えると、「形式的な社員教育をしても、実際に社員の行動につながらなければ、企業の業績は上がらない……。」となります。
では
「なぜ、社員の行動につながらないのか?」
「なぜ、社員はやらない、やれないのか?」を紐解いてみます。
次の4つが原因になっていると考えています。
- 1.「何をやればいいのか?」「何からやればいいのか?」が分からない。⇒やるコト自体が分からない。適切な優先順位づけができていない。
- 2.「どうやればいいのか?」が分からない。⇒やり方が分からない。
- 3.「何のためにやるのか?」が分からない。⇒やる目的(仕事観自体)が分からない。
- 4.行動が中途半端に終わる。責任をもって最後までやり切らない。⇒自分事になっていない。他人事で捉えている。
上記の中でも、特に1が原因になっている場合、
- 生産性が上がらない
- 重要な仕事が中途半端で完結しない
- 時間と人が不足する
- 人が育たない
という現場の結果につながります。
行動につながる社員にするためには
優先順位をつけるには「先か後か」の視点だけでなく「緊急かどうか」「必要かどうか」「重要かどうか」の視点を持ち、有限資源である「人・金・時間」の配分を決めることが必要です。
この使い方・活かし方で、企業の優劣が決まります。上記のように、原因を具体化し、それらを改善し補い、教育することで行動につなげることができれば、企業の業績向上と教育が連動してきます。
NBCの人財教育の根幹には
「人は、その人の性格や感情、考え方という内面が元となり、行動や発言という結果が外に表れる。しかし逆に、行動や発言が元となり、その結果、性格や感情・考え方が形づくられていくことも現実に起きる。」という原理原則があります。
まず、正しい行動・発言という「形」をつくることにより、仕事観や人間性という人の心をより良く変化させ、企業に無くてはならない人財となり、その人と組織が、企業をより良く変える――。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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