創業期の会社、成長期の会社、成熟期の会社……。それぞれ同じ状況ではないでしょうが、あなたはどのように「働き方改革」に取り組んでいますか?
今号では、あるスーパーマーケットの事例を紹介します。
目次
改善前の会社の状況
多店舗展開しているこの会社、業績は全体的には好調なのですが、毎年赤字の店舗があり、この赤字店舗の改革をご依頼をいただきました。
これまでにも数社、経営コンサルティング会社が改革に携わり、データ分析などさんざんされてきたようですが、いずれも結果には結びつかなかった……とのこと。
まずは赤字該当店舗の社員・パート集めからスタート
事前にそのように聞いておりましたので、まずは数字で説得しても動かない何かがあると思い、社長に
「その赤字の店舗に勤務する社員・パートを全員集めてください。その上で私に90分ミーティングの時間をください」
と依頼しました。
真面目店長の落とし穴とは
また、最も現場を知っているであろうパートさん達の本音を引き出すために、社長と店長には席を外していただきました。
私はそのミーティングの場で、生産性向上と仕事の成果についてお話しさせていただき、皆さんに感想・意見を求めました。
問題店舗の店長は、勤続年数も長く、真面目を絵に描いたような人でした。
誰よりも早く出社し、帰りも遅く、休みの日でもお店に顔を出すとのことで店長が一番働いていることは間違いありません。
しかし、ベテランのパートさんから意外な言葉が発せられました。
「店長は良い人ですし、一生懸命なのですが、
仕事(業務)をこなし過ぎるので、私達のする仕事がありません。
店長が主任の仕事までなさるものですから、
主任はパートの仕事をしてくれる……。」
「最初は『助かるな』と思っていましたが、
今はこれが赤字の原因であると思います。
パートの仕事を時給の高い社員さんがやっているのですから……。」
「前に当社の中でも優良店舗に応援に行ったことがありました。
そこの店長は、うちの店長ほど体は動かしてはいませんでした。
その代わり、ずっと机に座って何かを分析し、
社員さんやパートさんに指示を出していました。」
各々がミッションを理解し実行することが大切
店長の成果とは何なのかが明確になった瞬間でした。
本人の一生懸命さが会社の業績に繋がっていないのは、当然ながら良いことではありません。
組織である以上、各々が自分の役割(ミッション)を正しく理解し、その遂行にこそ労力を投下することが大切です。
これまで仕事だけに人生を費やしてきた50代以上の方、先頭を切って懸命に走ってきたことでしょう。
しかし、これからも同じように走り続けられますか?
体も結構辛いはずです。
では、次の役割は何でしょうか?
次世代の人財育成や組織構築がメインになってきている方も多いと思われます。
ぜひ、自身の仕事への取り組み方・働き方を振り返ってみてください。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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