最近、多くの経営相談を受ける中で、会社のM&Aについての相談が非常に増えてきています。
今は経営が順調でも、今後、中小企業における事業承継問題には多くの解決すべき課題が待ち受けています。
売れない会社にならないために何をすればよいのか記載しています
目次
M&Aの相談の際に聞くこと
相談の際、私がまずお聞きするのは下記の2つです。
- (1)現在の「自社の値段=企業価値」について、正しい認識を持っているかどうか。
- (2)M&Aをしたいというそもそもの目的は何か。
現在の「自社の値段=企業価値」について、正しい認識を持っているかどうかについて
自社が「売れる会社」なのか「売れない会社」なのかを把握するには財務・事業・人事・法務面を精査し、どの程度の企業価値があるのかを認識する必要があります。
M&Aをしたいというそもそもの目的は何か。
M&Aの目的には、後継者不在や経営者の健康面の不安・借入金弁済など、さまざまな理由がありますが、その理由によって対応が異なります。
中小企業庁からの今後の事業継承についての配信
中小企業庁からは今後の事業承継において、以下のように発信されています。
■今後10年の間に、
70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は
約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定の推計。■現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、
2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、
約22兆円のGDPが失われる可能性あり。■後継者が不在のため事業承継が行えないといった課題を抱える場合、
いわゆるM&Aによって、事業の継続・技術の伝承などを図ることが重要。
このため、平成30年に中小企業等経営強化法を改正し、
M&Aによる事業承継を支援対象に追加することで、
第三者への事業承継を後押しする。出所:中小企業庁『中小企業政策審議会基本問題小委員会 第15回 配布資料』
(2019年2月5日発表)
まとめ
今は経営が順調でも、今後、中小企業における事業承継問題には多くの解決すべき課題が待ち受けています。
中小企業庁発表のデータでもわかるとおり、経営環境などの変化の中でM&Aは企業を存続する選択肢の一つになってきており、ますます需要が増えることは間違いないでしょう。
つまり、経営者の皆様におかれましては、現在の自社の価値をしっかり認識し、いざという時に「売れる会社」へと企業価値を高めていく必要があるのです。
まずは、現在の企業価値を評価・認識し、どのようにして上げていくかを、財務と収益性の観点から計画を立てていきましょう。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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