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源義経・諸葛亮孔明・石田光成、3人の共通点は?

2022.09.01

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源義経、諸葛亮孔明、石田三成...

この3人には、ある共通点があります。今回は3人の共通点の紹介と、史実から見る適材適所に人を配置するためには何が必要なのかご紹介します。

目次

人に振りまわされた源義経

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、面白いですね。私も毎回、話に引き込まれてしまいます。登場人物の中でひときわ反響が高かった一人が、菅田将暉さんが演じた源義経でした。

「判官贔屓」の語源ともなった源義経。才能豊かでありながら人に恵まれず、最終的に悲劇的な生涯を送ります。義経は、幼い頃から才覚を持ち修行に勤しみ、平家を滅ぼす活躍をしながらも兄の源頼朝と反目。

さらに後白河法皇を頼るも公家に振りまわされ、旧知の奥州藤原家に身を寄せますが、ここでも裏切られ最期は自害。

義経は、源氏の御曹司のように振舞っていたため人に好かれず、最終的には彼の回りには昔から付き従ってきた郎党しかいなかったそうです。頼りにした権力者に裏切られ続けたりするあたりも含めて、人を引き寄せるのは苦手な人だったようです。

才覚あふれながらも主君や頼るべき人物を見抜けず、時代の流れも読み切れなかったことで結局、悲劇に見舞われましたが、仮に、義経が自分で優秀な人物を見出したり適切な助言をしてくれる仲間がいたら、また違った結末を迎えられたかもしれません。

一人で国を支えざる得えなかった諸葛亮孔明

優秀でありながら人を見抜く目を持たなかった歴史上の人物は、他にもたくさんいます。

人類史でもトップクラスの才能を持った、中国三国時代の諸葛亮孔明もまた、人を見抜く目がなかったと言われています。

20代まで自室にこもり研鑽を積んでいた孔明は、のちに三国のうちの一国をつくった劉備玄徳に「三顧の礼」で迎え入れられ、蜀国の建国に貢献します。しかし、劉備が逝去した後は、後継者の無能さもあってほとんど一人で国を支える状態になってしまいます。

晩年、何度も宿敵の魏国を倒そうと兵を起こすのですが、どうしても打ち破ることができません。そうこうしているうちに古くから蜀国を支えた武将たちは次々といなくなってしまいます。

そして、ある大事な戦で孔明が目をかけていた馬謖(バショク)という若者に、否応なく重要な役割を任せたものの、経験不足の馬謖は大失敗。孔明は泣く泣く馬謖を処罰しました。最終的にこの大敗が蜀国滅亡の発端となりました。

実はこの馬謖、劉備からは「あの男は口先だけだから重用するな」と言われていた人物でした。劉備の出自は田舎の農民で村でも人気者。若い頃から戦場を駆け回りたくさんの人に触れ人を見抜く目が養われていたのでしょう。孔明は若いころは世俗との関わりを断っていたところもあり、人を知るのは不得手だったように思えます。

理論的すぎて人の心をつかめなかった石田三成

義経や孔明以外にも、人を見抜く目で苦労した秀才がいます。徳川家康に「参謀として欲しい」と言わせた石田三成もその一人です。歴史家の加来耕三さんは石田三成を「理系の研究者」「反論できない正論を述べる人」「優秀過ぎて上から目線でモノを言ってしまう人」と評しています。 

関ヶ原の戦いでは、三成はどっちつかずの勢力に助力をお願いして回ったそうですが「豊臣に忠義を尽くせ」と上から目線で言っている絵が目に浮かびますね。

逆に家康は武将の私利私欲を巧みにつかみ、味方を増やしていったそうです。結果はご存知の通り。合理的かつ理論派の三成は人の欲を理解しきれなかったのでしょうね。

3人の共通点からわかる適材適所の重要性

3人とも、才能豊かな人財でありながらも世俗に揉まれることが少なく、人を見抜く目を養うことができなかったのが最終的に失脚の要因となったとは思いますが、最後まで能力をフルに発揮できていたのか、というとそうでもないのです。

戦に強い義経は、平家が滅んだあとに適切な任を与えられませんでしたし、
孔明は将帥として兵を率いるよりも屯田などの国内政策の方が得意な人でした。
三成も家康に欲しがられるほどの参謀型で、組織のトップを張るタイプではなかったでしょう。

この人たちもまた、元々の主にはその才を見出されたものの、主が変わったり失くしたりした後は不適任な役割であったり、あるいは無茶な負担も負わざるを得ず本来の力を出しきれなかったのです。

「適材適所」というものがいかに重要か、どれだけ人や国(組織)の命運を左右するかということを史実は教えてくれますね。

人を適材適所に配置するためには

松下幸之助、山本五十六、渋沢栄一、黒田官兵衛から孔子やジャック・ウェルチ、さらに野村監督まで……「適材適所」という言葉を検索すると古今東西あらゆる偉人の名前が出てきます。

皆さん言われていますが、人を適材適所に配置するためには、やはりその人個々の性質・特色をよく見抜くことが何より大事です。
適材適所で人のパフォーマンスを最大限引き出すために、その人本来の天分・才能を見抜く目を養いたいものです。

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この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

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