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組織の「心理的安全性」を高めよう

2022.02.02

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昨今、会社経営や組織運営において「心理的安全性」が重要視されています。

今回は、組織が「心理的安全性」を高めることのメリットや「心理的安全性」が高い組織の作り方についてご紹介します。

目次

「心理的安全性」とは

心理的安全性とは、「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を日本語に訳した心理学用語のひとつであり、Googleが「組織の生産性を高めるために必要な要素」と発表したことで注目を浴びるようになりました。

他人の反応に対し、怖さや恥ずかしさを感じることなく、自分を包み隠さず自然体で活動していける状態を指します。

例えば、変な質問をして無知だと思われることや、何か失敗をして無能だと思われることを心配する社員は少なくありません。

また、反論することや手伝いを頼むことで、相手に不快に思われないかを危惧するケースなどもあります。

こういった心境に陥ることなく、ストレスの少ない状態で柔軟に働ける組織は心理的安全性が高い状態にあるといえ、“離職率が低い”“生産性が高い”といった傾向が見受けられます。

「心理的安全性」でよく誤解されるポイント

心理的安全性とは、楽しさや緩さを表す指標ではなく、組織の生産性を向上させるために必要な概念です。

ストレスがないぬるま湯のような組織環境という意味に捉えられがちですが、本来の意味・目的はそうではありません。
(心理的安全性が高い=組織の居心地が良いことではありません。)

「社員同士の仲が良い」「罰せられない」ことを心理的安全性が高い組織だと誤解している人や、自分がつらい経験をするような組織は心理的安全性が低いに違いないと考える人もいます。

しかし、社員の仲が良好でも業務の連携に活かされなければ意味がありませんし、組織に問題がなくても、仕事をつらく感じることはあります。

心理的安全性を確保することのメリット

心理的安全性が確保されていると、社員が主体的に業務を行うことができ、成果を出しやすくなります。

常に他人の目が気になるような組織では、せっかく優れた能力を持っていても緊張を強いられ、十分に能力を発揮できなくなります。また長続きしません。

一方、適度な緊張感がありつつ、仕事に集中できる組織であれば、社内のコミュニケーションが活発になり、情報も共有されやすくなり、本来の実力以上の成果を出せることが増えるというメリットもあります。

各社員が考えていることを遠慮せずに話せるため、課題などのネガティブな情報から斬新なアイデアまで、会社を良くするために必要な情報が積極的に共有されることが期待できます。

「心理的安全性」が高い組織の作り方

「心理的安全性」が高い組織の作り方は以下の5つが挙げられます。

  • 社員それぞれの価値観や多様性を認める文化を作る
  • 社員相互で良い人間関係を作れるよう、機会や仕組みを提供する
  • リーダーが率先してさまざまな人の意見や質問を聞く
  • 声の大きい人の意見を重視するのではなく、その内容で判断する
  • チームで共通のビジョンや目標を持つ

上記のような企業文化を浸透させ、社員それぞれにも考え方を浸透させることで、心理的安全性が高まり、社員が活躍できる環境が整えられます。社員と企業の双方が成長する環境を作るための土台が「心理的安全性」なのです。

社員が働きやすく、高いパフォーマンスを発揮できる環境を目指して、経営陣は意識を高めてさまざまな取り組みを行うことが重要です。

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この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。