2018年9月4日のコラムにて、中堅社員・リーダーに求められる立場と責任についてお伝えしました。今号では引き続き中堅社員・リーダーに求められる能力についてお伝えします。
以下4つが、中堅社員・リーダーに求められる能力です。
- 【1】問題解決能力
- 【2】対人関係能力
- 【3】実務完遂能力
- 【4】情報収集力・情報理解力
今回はこの4つの詳細を解説します。
〔エッセンシャル版〕
企業・組織を率いる経営者・後継者・幹部社員に
必要なリーダーシップとは?をこれ1冊で。
目次
【1】問題解決能力
問題を正しく理解し、解決まで進める能力です。以下の3つの能力をまとめて問題解決能力と呼んでいます。
⇒ 『問題発見能力』⇒ 『解決策立案能力』⇒ 『解決策遂行能力』
一言に問題解決が苦手なリーダーといっても、上記のどの部分が苦手なのかは人によって異なります。それを把握し、個別に対策を考えることが必要です。
【2】対人関係能力
相手を理解する・相手に理解してもらう能力です。
a)コミュニケーション能力:相手の意見を引き出す力
相手の懐に入り込み、その人の意見を引き出したりこちらの意見を伝えたりして、効果的な意思疎通ができる能力。
b)説得力:相手に伝え、納得してもらう力
自分の言わんとすることを的確に相手に伝え、意図・目的をきちんと理解してもらう力。
c)他者理解力:相手の伝えたいことと気持ちを理解する力
相手の言葉に積極的に耳を傾け、相手の気持ちや考え方を察知・共感できる能力。
どれだけ問題解決能力が高くても、周囲を巻き込んで人を動かすことができなければ、一人で抱え込みすぎて自滅してしまいます。目標達成のために、いかに周囲を動かすことができるかが重要です。
【3】実務完遂能力
積極性・行動力・持続力など、完遂する能力です。
- a)積極性:新しい課題や新しい状況に対し、受け身でなく最初に行動を起こすことができる能力。
- b)決断力:必要な情報が不足している場合でも素早く決断を下すことができる能力。
- c)バイタリティ:課題への取り組みに際し、目標を高いレベルに設定して挑戦しようとする意欲と、その行動ができる能力。
- d)持続力:上記能力や行動を高い水準で持続できる能力。
『発揮能力=(知識+技術)×実務完遂能力』
いかに知識・技術が優れていても、実務完遂能力が伴わなければ、何事も成し遂げることは難しいでしょう。
【4】情報収集力・情報理解力
業界・業務・商品知識などの収集力・理解力です。常に学び続ける姿勢が大事です。
- a)方針理解力:会社全体の経営方針・所属する組織の目標・担当職務の目的を正しく理解する能力。
- b)製品知識:自社の製品やサービスの知識は当然のこと、競合企業の製品やサービスについての知識を保有・活用できる能力。
- c)業務知識:自社の製品やサービスの知識のほか、業務に関する幅広い知識を保有する能力。
- d)業界知識:自社の業界に関する知識に加え、関連する他業界についても現状を理解し、将来を見通す能力。
まとめ
いかがでしょうか?
社内の中堅社員・リーダーの成長が10年先の御社の生命線になるといっても過言ではありません。
現在でも一握りの経営陣だけが『知恵』を出し、多くの社員は『汗』を流して業務を回すという会社が多くみられます。ぜひ考えてみてください。
今のやり方で10年・20年と続けていけるのか……を。
経営陣の『一握りの知恵』から中堅社員やリーダー、ひいては社員一人ひとりの『多くの知恵』で経営できる体制に変化させていくことが重要です。
皆様の会社の中堅社員・リーダーは、成長できる環境にいますか?
「リーダーの力量以上に組織は伸びない。」
このような言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
『真のリーダー10ヶ条』は、企業・組織を率いる経営者・後継者・幹部・管理者に
必要なリーダーシップ(あり方・実践力)についてまとめたものです。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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