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リーダー育成の方法は?課題とリーダー育成のポイントも解説

2022.07.30

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企業が安定的に成長するためには、次世代で活躍するリーダーの育成が重要です。しかし、多くの企業では、リーダーの育成に取り組んでいても育成状況には不安を抱えているのが現状です。

そこで今回は、リーダー育成における課題をもとに、リーダー育成を効果的に進める方法やリーダー育成を成功に導くポイントを紹介します。企業の将来を担うリーダーを早い段階から育成したいと考えている方は、当記事を参考に育成計画を検討してください。


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目次

1.リーダー育成における課題とは?

企業が安定成長し、時代の変化に適応し続けるためには、次世代を担うリーダーが必要です。経済産業省の調査によると、経営リーダー人材育成に向けた取組をしている企業は52.6%と過半数を占める一方、その中の52.9%が育成状況に不安を感じています。また、5年後のリーダー候補者の数についても「不足している・わからない」と回答している企業が半数近くあります。

 

企業における「リーダー育成」には、いくつもの課題があります。ここでは、「リーダー育成」における代表的な課題を3つ紹介します。

1-1.教育体制が整わない

リーダー育成における課題の1つは、教育体制が整っていないことです。教育体制が整わない理由として、リーダー教育には資金がかかる一方で、すぐには利益につながりにくいことが挙げられます。実際、人材育成にかけられるお金が少ない企業や、目先の利益を追及している企業などはリーダーが育ちにくい傾向です。

リーダー育成を進めるには、教育体制を整え、今までよりも裁量権の大きい仕事を任せてチャレンジできる環境を作る必要があります。

1-2.組織が平坦化し、リーダーの選定基準が曖昧になっている

リーダーと呼べる存在がチームにおらず、組織が平坦化してしまうこともリーダー育成を進める上で課題となります。「リーダーのような人」がいる状態では、リーダーになっている側の人が自覚を持ちづらく、部下のモチベーションも上がりません。さらに、リーダーの選定基準も曖昧になります。

組織を牽引できるリーダーを育成するためには、適切な評価基準を策定し、リーダーの選定を進めることが重要です。

1-3.リーダーになる意欲のある従業員が少ない

近年、リーダーの育成を進める上で大きな課題となっているのが、リーダーを希望する従業員が減少していることです。多くの企業が副業を解禁したり、終身雇用が不確実なものになったりして、企業への帰属意識が低下している現状があります。

また、リーダーや管理職に昇格しても、責任が増えるだけで報酬が増えない場合もあります。企業を安定成長させるためには、企業としてリーダーになるメリットを提示することが重要です。

2.リーダー育成の方法

リーダーを育成するためには、課題を抽出した上で、課題解決に向けた育成施策や制度の確立させることが大切です。
平成29年度に経済産業省が作成した「企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン」では、リーダー育成のプロセスを4つのフェーズにわけ、それぞれのフェーズでPDCAを回すことが重要であると明記されています。

ここでは、ガイドラインを参考に、リーダーを育成する上で必要な4つのフェーズについて詳しく紹介します。

2-1.重要なポストおよび要件を明確化する

リーダーを育成するには、自社の成長に必要なリーダー像を明確にする必要があります。そのためにまずは、企業が今後目指すべきビジョンや方向性を定めることからはじめましょう。

自社が進むべき方向性を踏まえて必要となるリーダーポストを用意することで、効率よくリーダーの育成が進められます。また、企業に必要なポストがわかると、経験すべき職務経験や学ぶべきスキル・能力も明確になり、育成計画が立てやすくなります。

2-2.リーダー人材育成候補者を選抜・確保する

企業に必要なリーダーポストや育成計画が明確になったら、続いて社内のメンバーからリーダー候補者を選抜します。リーダーには、リーダーシップやマネジメント力などさまざまなスキルが必要です。リーダー候補を公平な目線で選抜するためにも、社内人材の職務経験や保有しているスキル・能力などの情報を可視化しましょう。

社内人材の能力の可視化には、ビックデータやAIを活用し社内の人事情報など総合して管理できるデータベースや適切な評価制度の構築が有効です。社内に適当なリーダー候補者がいる場合は、リーダーポストに採用し、リーダー候補が見つからない場合は、社外からの登用も検討しましょう。

2-3.人材育成を実施し、育成環境を整える

リーダーの育成には、個人スキルの強み・弱みに対するコーチングやフィードバック、さらには必要な職務を経験してもらうなどのリーダー育成研修が有効です。同時に、リーダーシップの獲得には仕事上で得た経験も重要なため、仕事上で困難な課題を任せる「タフ・アサインメント」を通じてリーダーの成長を促します。

リーダー育成を行う際には、上司や社内の関係者の理解が必須です。教育体制や環境の整備は重点的に行いましょう。

2-4.育成結果を評価する

継続的にリーダーを育成し、成果を上げるためには、PDCAサイクルを回すことが重要です。

リーダー候補者の育成結果については、経営層も交え、組織的に評価しましょう。また、評価する際には、結果だけでなく育成プロセスが適当であったかについても見直すことがポイントです。評価結果をもとに育成プランを再構築することで、リーダーの育成環境をアップデートできるでしょう。

3.リーダー育成を行うときのポイント

リーダーを育成するときには、いくつか意識すべきポイントがあります。ここでは、リーダー育成を成功させるためのポイントを3つ紹介します。

最優先課題として取り組む

次世代のリーダーを育成するためには、リーダー育成を会社全体の最優先課題として取り組みましょう。企業の最優先課題を決定するには、人事部門だけでなく経営層の理解を得る必要があります。

また、リーダーの育成を効果的に進めるためには、評価制度などを改正することも大切です。日頃から人事部と経営層が円滑にコミュニケーションをとれる関係性を作っておくとよいでしょう。

候補者と経営者が交流できる機会を作る

リーダー育成の候補者は、将来的に会社の経営戦略を立てる存在になります。そのため、経営に関する経験を積むだけでなく、現在の経営層の考えに触れられる機会を作っておきます。

座学で知識を得ていても、会社経営が身近でなければ、経営層に入ったときに適切な対応をとることは難しいでしょう。経営者の視点や考え方を育成段階でインプットしておくと、スムーズにリーダーのポストへ移行できます。

候補者のケアを怠らない

リーダー候補者は、日常的な業務とリーダー育成プログラムを掛け持ちしているため、プレッシャーや悩みを抱えやすい状態になります。リーダー候補者が、育成プログラムや今後のキャリアについての悩みを解消できる環境を整えることが大切です。

また、育成プログラムが進んでいくにつれて、リーダー候補から外れる社員も出るでしょう。適切なフィードバックを与えたり、別に活躍の場を作ったりとフォローアップ体制を整えることで社員の再活躍につながります。

まとめ

次世代リーダーの確保は、企業が安定的に成長するために重要です。しかし、「教育体制が整わない」「リーダーの選定基準が曖昧」「リーダーになりたい人材の不足」など、育成する際には課題も多く存在します。

リーダー育成は4つのフェーズにわけ、PDCAを回すことで効果的に進めることができます。リーダー育成を最重要課題に設定することを経営幹部と合意し、次世代リーダー候補者と経営層との交流の機会を作るように心がけましょう。

また、候補者に対するケアを怠らないことがポイントです。リーダー育成プログラムも定期的に見直し、アップデートして長期的にリーダー育成を行いましょう。

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この記事の著者

NBCPlusオンライン編集部

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