全国で緊急事態宣言が解除され、経済活動が徐々に再開しているとはいえ、第2波、第3波の到来も大いに懸念されている状況です。
弊社では、4月の自粛期間以降、各コンサルタントがそれぞれの強みをテーマとした「社内講師」となって全国の社員に向けてオンライン研修を行っています。
既に30本を超す研修が企画運営されており、社内スキルアップの場となっています。
ここまで濃密で多岐にわたる社内教育企画はこれまでにないことでした。
また、支援業務においても従来のご訪問形式に加え、WEB会議システムの活用などの新たな方法を柔軟に取り入れています。
経営の神様といわれたピーター・ドラッカーも
「経営とは自分と時代との戦いである。」
「経営とは理論ではなく実践である。」
「経営とは時流に即した技術である。」
という言葉を残しています。
すなわち経営とは『変化対応業』と言っても過言ではないでしょう。
とある私の支援先では、売上減少を食い止めるために、全社員参加で新たな売上につながる製品コンペを行っています。
また、実際にコロナ禍に即した新事業として、例えば飲食店の食券を来店前に購入する仕組みやタクシー事業者による貨物配達サービスを始め、オンラインでのサービス提供・非接触関連ビジネスなど、今までになかった変化対応型サービス・業態が続々と生まれています。
我々のまわりに起こる変化にどのように対応していくか――。
変化に対応できる『変化対応型人財』を育てるためにはどうしたら良いのでしょうか?
私は『変化対応型人財』には次の4つの要素が必要だと考えています。
目次
変化対応型人財の4要素
関心力
社会全体や自社まわりの変化に関心を持ちアンテナを張る力。
⇒新聞・業界紙・書籍・人脈などの外部情報に触れる
気づき力
溢れかえる情報から自社または自分の改善に活用できる情報に気づく力。
⇒そのために常に問題意識・当事者意識を持ち合わせておく
転換力
有益な情報を自社または自分に当てはめて、改善行動に転換できる力。
⇒狭い視野ではなく会社全体の事を把握した上で発想の広がりを持つ
実行力
改善方針を作成し、自ら実行する、または周囲に実行させる力。
⇒目的・目標を明確にして周囲を巻き込みながらプロジェクトを進める
変化対応型人財の育成が急務であるいま、この4要素を指標とした社員育成に注力されることをおすすめすると共に、4要素を軸に社内の人材を見直してみていただきたいと思います。思わぬところに変化対応型人財が隠れているかもしれません。
変化に対応できる経営
経営がすなわち変化対応業であるならば、コロナ禍で生じる「こんなはずじゃなかった」「計画が頓挫した」などの悔しい思いも、ある意味「これに対応していくことがそもそも経営だ」と捉えれば、前にしか道はなしの気概で次の一歩に変えていけるかもしれません。
社長にとって『変化対応型人財』はその一歩の強力なサポーターになる存在です。
(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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