新型コロナワクチンの接種が世界的に進んできているとはいえ、市場の閉塞感は継続しており、いまだ多くの中小企業の業績が低迷しています。
しかしその一方で、(需要が急激に上昇した一部の業種を除いても)コロナ以前の業績をある程度維持している、コロナ以前よりも業績を伸ばしている企業があります。
世の中から必要とされ、業績を一定水準以上確保している中小企業には、業種業態を問わず共通して市場・顧客・取引先・地域社会・業界・社内に提供している“付加価値”があります。今回はその付加価値について解説します。
目次
コロナ禍で中小企業が提供すべき付加価値が変わった
二極化の時代にあっても世の中から必要とされ、業績を一定水準以上確保している中小企業には、業種業態を問わず共通して市場・顧客・取引先・地域社会・業界・社内に提供している“付加価値”があります。
2008年のリーマンショックからコロナ以前の2015年ぐらいまでは、下記の【1】【2】が主なものでした。
しかし、5年程前から【3】が求められてきており、働き方改革にコロナ禍が加わった直近では【4】の要求も満たしていく必要があるようです。
<最新版> 中小企業が世の中に提供すべき『付加価値』
【1】非代替性
「そこでしか味わえない・体験できない・作れないもの」や
「その人にしかできないこと」など、
オンリーワンといわれるもの。(ナンバーワンもあるが中小企業には提供が難しい。)
【2】高利便性
「最初から最後までやってくれる、痒い所に手が届く、困りごとを解決してくれる」など、ワンストップサービスといわれるもの。
【1】と【2】は利益性を高めることになります。
しかし、企業側が利益性を高めるだけでは世の中から認められ難くなってきているのが昨今の事情です。
【3】社会性
「業界や地域社会といった大きな枠の前に、社内への還元・労働環境の整備」といった従業員満足の向上や、次いで顧客・取引先・地域社会・業界への還元・貢献。
実際に、この数年間で人事評価制度・給与制度見直しのニーズは非常に高まっています。
【4】生産性
「今までと違った考え方・やり方で、効率良く柔軟に、より精度が高い商品・サービスを提供する、つくり上げる」こと。IT化・自動化・AIの導入など。
付加価値をどう成長サイクルに循環させるか
中小企業では、上記【1】~【4】について、自社独自に仕組み・プロセスまで設定し取り組み、「成長サイクル」を循環させているかどうかが肝要です。
- 「非代替性」と「高利便性」で利益性を高めて資金を獲得する
- 「社会性」と「生産性」の向上に獲得した資金を投下し、恒常的な事業ドメインの変更や各システムの修正、優秀な人材の確保・育成を行う
- 利益性の維持・向上によりさらなる資金を獲得する
- 獲得した資金をさらなる成長領域へ投下する※規模の拡大を示唆していません
あらためて、御社が世の中にどのような価値が提供できているか、成長サイクルを循環させることができているか、確認してみてはいかがでしょうか。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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