付加価値(限界利益)に占める人件費の割合を「労働分配率」と言います。
労働分配率は適正な水準に保つことが大切なのですが、今回はなぜ労働分配率を意識した経営が大切なのか、労働分配率が高いとどうなってしまうのか解説します。
目次
付加価値の計算方法
付加価値の計算方法は、主に次の2つがあります。
【控除法】
付加価値= 売上高 - 外部購入価額
【加算法(日本銀行方式)】
付加価値=経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課+減価償却費
例えば、材料を1,000万円分購入し、工場で製品を製造し、その製品を5,000万円で販売した場合、付加価値は5,000万円-1,000万円=4,000万円となります。
労働分配率とは?
付加価値(限界利益)に占める人件費の割合を「労働分配率」と言います。
労働分配率は適正な水準に保つことが大切で、高すぎても低すぎてもよくありません。
例えば、給与に当たる人件費が高くて労働分配率が高ければ従業員の士気は上がりますが、設備やインフラの投資に十分な資金を割けなくなります。
労働分配率の計算方法
労働分配率(%) = 人件費 ÷ 付加価値額 × 100
日本の労働分配率は高めで、全業種平均で50%前後と言われており、製造業のように装置産業と言われるものは低く、サービス業のように原価をほとんど必要としない業種は高くなる傾向にあります。
労働分配率が高すぎるとどうなるか?
労働分配率が高すぎる場合、最悪、労務倒産を招きます。日本の企業は労使協調が進んでいますが、お隣の韓国では労働組合の要求が強く、外資系企業の撤退も進みつつあると聞きます。企業の生産活動によりもたらされる付加価値をどのように分配するかが重要です。
(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)
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