QCとは、Quality Controlの略で、品質管理を意味します。職場単位で、小集団のサークル(活動チーム)をつくり、継続的・科学的に製品・サービス・仕事などの品質を管理し、改善に取り組む活動です。
生産会社の製造部門中心に始められたQCサークル活動は、今では製造業だけでなく非製造業にも普及しています。
目次
ある支援先の事例
2019年から働き方改革関連法が施行されました。この2020年4月には、中小企業に対しても「時間外労働の上限規制」が適用されます。
生産性向上が必至となるこの4月──、中小企業経営者の皆様、準備は進んでいらっしゃいますか?
ある小売業の支援先では
[人時売上高(売上÷総労働時間)]と
[労働分配率(人件費÷限界利益)]の二軸を
生産性向上のものさしとして改革を進めています。
[人時売上高]社員1人の1時間あたりの売上高⇒時間の観点からみた生産性
[労働分配率]限界利益に対する人件費の割合⇒お金の観点からみた生産性
この両方の改善目標を設定し、今期はどちらも達成する見込みです。
取り組み初年度だったため大幅な改善ができましたが、次年度以降さらに改善を進めるためには、今まで以上に細かく無駄を削減しなければなりません。
そのために、幹部の皆様と、来期に取り組むテーマについて何度かディスカッションを行いました。
すると、意見を聞けば聞くほど、製造業の品質改善活動とポイントが似通ってきました。
たとえば、ある作業の効率を改善するにあたり
- いかに工程を減らすか?
- いかに移動時間を減らすか?(頻度の削減)
- いかに販売ロスを減らすか?といったことが挙げられました。
「それであれば“QCサークル活動”を行いましょう!」と提案し、小売業の会社でQCサークル活動を行うことになりました。
QC(品質管理)サークル活動とは
QCとは、Quality Controlの略で、品質管理を意味します。職場単位で、小集団のサークル(活動チーム)をつくり、継続的・科学的に製品・サービス・仕事などの品質を管理し、改善に取り組む活動です。
生産会社の製造部門中心に始められたQCサークル活動は、今では製造業だけでなく非製造業にも普及しています。
生産性向上を常に求められる製造業の改善活動は、異業種でも参考になり、まさに働き方改革にピッタリだと感じます。
QCサークル活動の進め方
QCサークル活動は、以下の7つのステップ(QCストーリー)を踏みながら進めていきます。
ステップ1:テーマの選定
改善対象を選定します。そして目的と成果を明確にします。
ステップ2:現状の把握
選定した改善対象について、事実をしっかりと把握します。その際、客観的なデータに基づいて把握を行い、データと合わせて担当者からの情報も収集し、総合的な判断を心掛けます。
ステップ3:目標の設定
何をどのくらい良くするのか、目標値を設定します。
ステップ4:原因分析
なぜ不良品が発生したのか、なぜ不良品が社外に流出したのかなど、問題の発生・流出原因を明確にします。
ステップ5:対策立案/実施
『ECRS(イクルス)の原則』で改善案を立案・実施します。
ECRSとは以下の略です。
- Eliminate(排除):作業や手順をやめる
- Combine(結合):作業をまとめる・同期化する・合体させる
- Rearrange(交換):工程・手順を入れ替える
- Simplify(簡素化):簡素化・単純化する
ステップ6:効果の確認
効果を測定して、PDCAサイクルをまわします。
ステップ7:歯止め/標準化
定着させる仕組みをつくり、再発を防止します。
興味があれば、ぜひQCサークル活動に取り組んでください。問題解決できる社員を育成したい企業には、とても有益な取り組みだと思います。
(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)
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製造業のQCサークル活動
この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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