鉄くずやステンレスの仕入れ販売の会社の事例
その会社は、鉄くずやステンレスなどのスクラップを仕入れ販売していました。
社長は子供のころからリヤカーを引き、
苦労を重ねながらも会社を興しました。
売上・利益が伸び、会社はぐんぐん成長。
同業者やライバルもいる中、一人勝ちともいえる状況でした。
社長は頭が良く、人を動かすことや人間関係を築くのが上手な方でした。
自分の力だけを頼りに孤軍奮闘するのではなく、
協力してくれる人をつくり、
人を動かす力が秀でていたことが成功の要因と感じます。
ただ、今振り返るとそれだけではない気がします。
ある時、社長がこのようなことを仰っていたのを、
ふと思い出したのです。
「自分は1円でも高く商品を買ってくれる人と取り引きする。
これだけは、どんなことがあっても曲げない。
どれだけ仲良くしていた人や会社であっても。」
社長は、安易な値引きには応じず、人間関係に流されることなく経営していたのです。
カスタマー・マイオピア(顧客近視眼)になっていないか
顧客から値引きなどを求められ、
言われたとおり値引き・対応してしまう……。
心当たりはないでしょうか?
このように顧客の言いなりになってしまうことを
「カスタマー・マイオピア(顧客近視眼)」といいます。
目の前の顧客が言っていることだけを鵜呑みにしていると、本当に顧客が必要としていることから焦点がずれた対応をしてしまうことが多くなります。
このような状態が続くと、いずれ顧客は離れていってしまうでしょう。
今の時代、いろいろなことが起こり環境や常識が変わりつつあります。
同じものを販売していても伸びている会社、
外部環境の厳しさをものともせず成長している会社は、
何かしら他社とは違った取り組みをしています。
価格競争から脱却し、付加価値(生産性)・顧客満足を高めていくことが、生き残る・勝ち残るためにとても重要です。