御社は成長し続けていますか?
「売上〇億円の壁」
「社員数〇名の壁」
多くの経営者・企業がある一定の規模で壁にぶつかり停滞するといわれています。
しかし、広く知られる大企業もはじめから大企業だったわけではありませんし、コロナ禍において厳しい向かい風が吹いている業種・業界でも成長している企業は存在します。
ではなぜ、壁にぶつかり停滞してしまうのでしょうか?
今回はその原因・問題を「売上の壁」「社員数の壁」ごとにひも解いていきます。
目次
売上の壁/事業の成長
「売上〇億円の壁」は、事業の成長であり、顧客ニーズに合わせて商品(製品・サービス)の価値をより高く多く提供できるかが鍵となります。つまり、ある売上(数量)に達するたびに、
- (1)既存事業の見直し
- (2)事業領域の拡大
を進めることが求められるのです。
(1)既存事業の見直し
まずは、既存顧客が何に満足・充足していて何に不満・不足を感じているかを知ることです。
商品の「基本機能(=なくてはならないもの)」を常に磨きながら、
「付加機能(=あったらいいもの)」を追求しましょう。
そして顧客満足向上のために、既存事業の提供内容や流れ・品質などを見直しながら、既存顧客の利便性を高めるための新規事業を検討していくのです。
なお、既存事業構造の見直しは、衰退期が訪れるまでに新商品・サービスの開発やリニューアルを行えるかが鍵となります。
(2)事業領域の拡大
事業領域を大別すると、既存事業に付随・隣接する事業と、全く新規の事業の二つに分かれます。
中小企業がまず取り組むべき領域は、既存事業を軸とした付随・隣接する事業における商品・サービス開発と展開です。
中小企業において、新規顧客に対する新規事業の提供は一番最後です。企業活動の優先順位を誤ると企業の停滞・縮小に繋がります。
「売上〇億円の壁」を感じている経営者・企業は、既存顧客の要望や声に耳を傾け、商品サイクル・事業領域を常に深掘りしましょう。
付加価値や単価を高めることを軸に、具体的に見直すことが重要です。
社員数の壁/組織の成長
「社員数〇名の壁」は、組織の成長であり、属人的ではないマニュアル化された仕組みを取り入れ、一人ひとりのできることをより高く・多くできるかが鍵となります。こちらは、組織がある人数規模に達するたびに、仕組みを再構築し、社員の能力開発を行うことが必要です。
ポイントは、デジタル化・単純化・見える化・基準化で、再現性を高めることです。「ヒト」によって価値が担保される「コト」以外は、すべて仕組みで動かします。それでは、どのように能力開発・仕組みを再構築していくか見ていきます。
(1)「コト」に関する能力開発
「コト」を実現する組織・役割・責任・権限を明確にし、それに沿って「コト」に関する能力開発を行います。社員の成長を促し、能力を発揮し続けてもらうためには、教育の質を高め続けることが重要です。社員には、土台となる基礎力や価値観(考え方)が身についているでしょうか?
経営者・管理者は、社員一人ひとりの特性を把握し、その能力を伸ばすことができているでしょうか?
また、社内にはスキルの幅を広げ、専門性を高められる機会や場が設けられているでしょうか?振り返ってみましょう。
(2)仕組みの再構築
デジタル化・単純化・見える化・基準化で、再現性と生産性を高める仕組みになっているか?常に見直しましょう。鍵は見える化と基準化です。
今の仕組みに固執せず、新しいやり方や考え方、ツールを積極的に取り入れ、仕組みを再構築することが重要です。
この時、仕組みの変更に対する社員の意識改革と「ヒト」と「コト」の設定が上手くいかないと、業務負荷のみが増加し、人が成長しない・定着しない状態を招きますので要注意です。
短期間で「壁」を乗り越えたいならM&Aも一つの手段
上記二つの「壁」を短期間で超えることができる手段の一つがM&Aであり、中小企業においても注目され、活用する企業が増えてきています。 もちろん、活用する際のデメリットを把握し、対処しながら進めることになりますし、活用すれば上手くいくというものでもありません。
ただ、ウィズコロナの中で成長している企業は、M&Aに限らず、今まで自社で取り入れてこなかった「モノ」に対して積極的に情報収集を行っています。
企業の現状を把握し、事業・組織における課題を抽出したうえで具体的な改善に取り組まなければ、いつまでも「壁」の向こうの景色は見えてきません。「壁」を感じている経営者の皆様、一度自社の現状を整理してみてはいかがでしょうか?
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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