4月を迎え、多くの企業がベースアップ、定期昇給、または降給など、給与改定の時期を迎えているのではないでしょうか?
この時期こそ管理者の方は、社員の方に伝えるべきことがあります。
これができていれば、経営者の方々から見ても、
「あいつは管理者として安心して任せられる存在」と言えることでしょう。
逆に、それが伝えらず、社員と同じレベルで「うちの部署は特殊だから」などと言い、
評価の基になる目標管理をマンネリ化、形骸化させ、人と組織の成長を妨げる管理者の方もいらっしゃいます。
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社長は、給与の決め方、社員に説明できますか?
目次
管理者が伝えるべき1つのこと「今回の昇給に見合う、付加価値の向上を知っているか?」
例えば、給与改定で5,000円昇給するとします。その会社では年間4ヶ月の賞与、所定労働時間が200時間/月、平均的に30時間/月の残業があるとします。
1 年間の昇給額⇒5,000円×12ヶ月=60,000円
2 賞与の増加額⇒5,000円×4ヶ月=20,000円
3 時間外手当ての年間増加額
⇒5,000円÷200時間×1.25×30時間×12ヶ月=11,250円
4 上記1~3の合計⇒91,250円
5 社会保険料などを含むと ⇒4×1.2=【 109,500円 】
企業の負担する人件費は年間で約11万円上がるということです。
社員平均で5,000円昇給するならば、企業全体ではこれに社員数を掛けた人件費が上がります。
10人で・・・109万円
30人で・・・328万円
50人で・・・547万円
労働分配率で貢献すべき付加価値を教育する
年間の人件費(賃金ではありません)が、どの程度上がるか分かったところで、次は貢献すべき付加価値への換算です。
ここで「労働分配率(人件費÷付加価値)」という経営指標を使います。
労働分配率が50%であれば、人件費の2倍以上、労働分配率が30%であれば、人件費の3倍以上、付加価値に貢献するという意味です。
仮に企業の目標労働分配率が50%とすると、上記の例では年間に貢献すべき付加価値は約21.9万円となります。
(営業職はシンプルなため説明を省きますが)
製造部門や管理部門であれば、21.9万円以上(1.8万円/月)のコストダウンか、仮に時間当りの人件費が2,500円だとすると約28時間(219,000÷2,500円)の業務改善を最低限すべきということになります。
現場計数に落とし込み、年間28時間の作業時間の改善に繋がる提案や、月1.8万円のコストダウン、ミスなどによる作り直しの無駄を削減するというように、月・週・日・時間などの具体的な数字に落とし込んで、貢献すべき目標を設定すると良いのではないでしょうか?
そして、それによって生まれた時間で、多能工化や新たな業務の習得などに取り組めば、新たな付加価値を生み出す能力の向上に繋がります。
時間というものは減らすだけではなく、新たな使い方を見出すこともできれば、ダブルで効果を生むものです。
営業部門以外の製造部門や管理部門でも、上記のようなコスト意識・時間意識で目標に取り組み効果が生まれると、生産性が上がり労働分配率も安定するはずです。
人事評価制度を構築・運用するうえで最も重要なことは、公平・明確な評価の“ものさし”を設定し、それを社員にしっかりと説明、理解してもらうことです。具体的な指標や基準の設定方法、上手な運用方法にご興味がある方は、ぜひご参加ください。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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