私がコンサルティング業界で仕事を始めてから、今年の3月で15年が経過しようとしています。
その間、リーマンショックやさまざまな経済状況の変化があり、その変化に大きく振り回される企業を数多く見てきました。
一方で、外部環境の変化に上手く対応し、マイナス影響は最小限に抑え、プラス影響は最大限に伸ばしている企業も見てきました。
そこで今回は、国内市場が縮小し、二極化が進んでいる現在においても成長を遂げている企業に共通する取り組みをご紹介します。
目次
日本国内の欠損法人の割合は63.5%(※)といわれています。
この6割超の企業は、市場のニーズに応えることができなかった企業といえるのではないでしょうか。
そうすると、欠損法人ではない4割弱の企業、なかでも上位1割の企業は、今、市場からのニーズに応えることができているということになります。
この4割弱の企業の共通点は『付加価値を提供し続けている』という点です。
成長企業が提供している付加価値
成長企業が提供しているこの付加価値がどういったものか、私見ではありますが以下に整理してみました。
【1】非代替性
そこでしか買えないもの、作れないもの、食べられないもの、
体験できないもの、その人にしかできないこと……など、
いわゆるオンリーワンの製品・商品・サービス・技術です。
特許やヒット商品などをどんどん開発できればよいのですが、資源に限りがある中小企業においてはなかなか実現困難です。
【2】高利便性
そこに行けばすべてが揃う・解決してくれる、
最初から最後まで面倒をみてくれる、かゆいところに手が届くなどのいわゆるワンストップサービスです。
個別の問題解決商品やサービス、フットワークの軽さや個別案件対応といった独自のやり方や工夫で顧客満足を得るという意味では、高利便性の価値を提供している中小企業が多いと感じます。
【3】社会性
この【1】または【2】(理想は両方)の価値=利益性を追求した上で、【3】社会性を高めている企業が今現在の成長企業となっているようです。
ここでいう社会性とは、単に社会貢献の度合いを示しているのではありません。
まずは、自社内において社員の満足度を上げるために、給与・賞与といった社員への還元の仕組みなど労働環境の整備を行います。
その上で、顧客・得意先はもちろん、取引先や同業他社や業界、そして地域・日本・世界へと視野や取り組みを拡げていきます。
会社の質を向上させ続けるためには
言葉で書くのは簡単ですが、上記3つの付加価値を提供し続けること=会社の質を向上させ続けることは非常に困難です。
なぜなら、中小企業にとって、簡単に利益が出て資金が残り、世の中に付加価値を提供することができるような裏技やウルトラCは存在しないからです。
業界の常識に囚われず、常に新しいことにチャレンジし、経営目的と目標を掲げ、プロセスを構築・実行し、PDCAサイクルを回すことを継続していくしかありません。
まずは理念を掲げ経営計画と事業計画を策定
したがって、まずやるべきことは、経営目的(理念)を掲げ従業員の共鳴共感を得てベクトルを合わせ、演繹的・帰納的に中長期の経営計画と単年度の事業計画を策定することです。
事業計画の実現のための活動計画を作成・実行
次に、単年度の事業計画を実現するために必要な組織と仕組みを構築し、部門・個人まで落とした活動計画を作成・実行します。
毎月(少なくとも四半期に一度)、目標と結果のギャップを把握し要因分析を行い、次の対策と具体的な活動に修正して実行します。
このPDCAサイクルを回し、活動と結果を積み上げ続けることで、会社(人・物・金・情報)の質を上げ続け、付加価値に転換していくのです。
改善スピードが足りなければ外部機関を利用
しかし、このような改善計画を自社内だけで進めていくには非常に時間がかかり、市場の変化に対応できないこともまた事実でしょう。
実際、成長企業の多くは、改善スピードを上げるために経営改善ノウハウを持つ外部機関を一定期間利用し、社内にノウハウを効率的に取り込んでいます。
もしご要望があれば、NBCでもお力添えしますので、この厳しい時代にあっても成長企業であるために、一度、自社の付加価値がどういったものなのか、具体的に整理されてみることをお薦めします。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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