セミナーテキストづくりは大変な仕事ですが、
毎回色々なデータを集め、あらためて大局を知る大事な機会でもあります。
今回は、このセミナーの中から
「事業承継を成功させる3つの鉄則と方程式」をお伝えします。
多くの社長にご参加いただき、ご関心を寄せていただいている内容です。ぜひご一読ください。
目次
社長の高齢化が進んでいる
東京商工リサーチが2021年8月に公表した『全国社長の年齢調査』によると、
全国の社長の平均年齢は62.49歳で、前年から0.33歳伸び、調査を開始した2009年以降、2019年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいます。
2016年6月6日、衝撃を受けた日本経済新聞の記事
「2030年、社長の中心年齢は80歳前後に――。」が
現実のものとなりそうで恐ろしさを感じています。
なぜ、社長の年齢は高齢化しているのでしょうか? なぜ、事業承継は遅れているのでしょうか?
社長の高齢化と事業承継が遅れている理由
中小企業基盤整備機構『事業承継実態調査』や、中小企業庁『中小企業白書2021年版』から次のことがわかります。
それは「継ぐ側」「継がせる側」いずれも、未来に対する不安・心配が事業承継の大きな足枷になっているということです。
さらに、この問題を深堀りすると、代表者の最大の責任である「お金」、つまり借入金の債務保証問題につながります。
継がせる側には「後継者に迷惑を掛けたくない。」という親心があり、
「承継は借金の返済が進んでからにしよう……。」
「収益の改善ができた後にしよう……。」
となってしまうのも当然のことと思います。
事業承継を成功させるための3つの鉄則
そこで、これらの背景・実態から導き出した「事業承継を成功させるための鉄則」が、次の3つです。
これは私がNBCグループ創業者 野呂敏彦と、勤続年数35年の間に関わらせていただいた中小企業の経営者・後継者・幹部・社員の方々に教えていただいたことでもあります。
事業承継は「簡単な筈が無い」、だから本気で取り組む。
事業承継は計画を立ててもなかなか進まないものであり、時間が経てば経つほど難しくなる傾向がある。だから本気で取り組む。
現社長の責任で引き継ぎやすい会社に変革する。
現社長の代でなければ解決できないことは、現社長の責任で解決の道をつくる。
「仕事の付加価値=生産性・労働分配率」を活用して、高収益体質づくりに取り組む。
後継者を支える幹部を育てる。(他人能力活用)
経営目的と価値観を共有し、そこに向けて共に実践する体制をつくり、後継者一人が重い責任を負わない組織にする。利益体質づくりと人財づくり、いわゆる「組織づくり」を同時に進める。
まとめ
上記はいずれも株の異動や、代表登記といった法的・形式的なものではなく、「経営の承継」にあたります。
「経営の承継」こそ現社長の最後の大仕事であり、事業承継を成功に導くための方程式はこのようにまとめられます。
事業承継後の会社の未来=
「後継者自身の覚悟」×「後継者を支える人財」×「それを可能にする環境」
遅きに失することのない事業承継のために、参考にしていただければ幸いです。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。