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帝国データバンクが発表した『全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)』によると、経営者の年齢別後継者不在率は、
- 60代 :42.6%
- 70代 :33.1%
- 80代以上:26.7%
となっています。
また、2022年の事業承継は「同族承継」により引き継いだ割合が34.0%と、親族への事業承継がスムーズにできていないケースが増えていると考えられます。
後継者がいない企業は事業承継のタイミングを逃し、親族が事業を引き継ぐという価値観の希薄化により、事業承継の機会を失っていくものと思われます。
結果として、事業承継できる企業と、事業承継できずに経営者が高齢化する企業の二極化が進むことが予想されます。
一方で、事業継続の意志がある企業は、早めに後継者の選定や意思確認、第三者への承継(M&A)などを検討することで、事業承継の選択肢を増やすことが可能です。
後継者問題を抱える中小企業にとって、事業承継は単なる経営権の譲渡のみならず、自社の事業拡大のチャンスにつながります。
そのため事業承継を進めるには、基本的な流れを理解し、早めに取り組むことが大切です。
- 財務分析の実施 【内部分析(B/S・P/L)、外部分析(与信)】
- 自社株評価額の把握
- 株主構成と支配権移譲の懸念点把握
- M&Aによる企業価値評価額の把握
- 財務状況の改善策
- 社内体制の見直し
- 業務マニュアルの作成 【属人化の防止】
- 親族内承継(同族)のパターン
- 親族外承継(役員・社員)のパターン
- 第三者承継(M&A)のパターン
- 事業承継税制の活用有無
→【特例承継計画の提出期限:2024年3月31日まで】
- 支配権の移譲
→【特例措置の株式贈与(相続)期限:2027年12月31日まで】 - 経営権の移譲
- M&Aの場合は、統合後の技術やノウハウを引き継ぐ伴走期間の設定
事業承継は、後継者の選定や育成、業務の引き継ぎなど、実際に実行するまでに10年程度を要すると言われています。
また事業承継対策は、企業のおかれた状況によって必要なステップが異なり、それぞれに対応するさまざまな支援策があります。
事業承継はそう簡単にいくものではありませんが、取り組む企業にとっては大きなチャンスにもなります。
目の前の環境や状況を前向きに捉えて、事業承継を進めるためのステップ[1]からぜひ始めてみましょう!
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事業承継の準備にかかる期間は5~10年といわれますが、親族内承継・社員承継・M&A……いずれを選ぶにせよ、まずは【継げる会社】【売れる会社】にしておくことが事業承継成功のカギであり、最低条件です。
本セミナーでは、35年余にわたり中小企業の事業承継を支援してきた弊社ならではの成果実証済みのノウハウをお伝えします!
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この記事の著者
NBC税理士法人
「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。