納税猶予制度(特例猶予)とは
新型コロナウイルス感染症の影響により、納税が困難な場合に即効性の高い制度です。
現行法では
(1)換価の猶予(国税徴収法第151条および第151条の2)
(2)納税の猶予(国税徴収法第46条)がありましたが、
令和2年4月30日の新型コロナ税特法の成立・施行により
(3)納税猶予の特例(特例猶予)が新設されました。
納税猶予の特例の内容は
この特例猶予の内容は
- 【令和2年2月1日から令和3年2月1日に納期限が到来する国税】について、
- 新型コロナウイルス感染症の影響により【令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)において、事業等の収入が前年同期と比較しておおむね20%以上減少】していて、
- 【国税を一時に納付することが困難】な場合、
所轄の税務署に申請すれば【納期限から1年間、納税猶予(特例猶予)が認められる】というものです。
特例猶予が認められると、猶予期間中の延滞税は全額免除となる上、担保提供は不要です。
要件を満たせば一時的な税負担や延滞税を抑えられ、滞納税金による差し押さえなどのリスクも軽減できます。
納税猶予の特例をしっかり活用しましょう!
現行法下の(1)(2)についての申請は少々煩雑でしたが、
(3)については、新設された専用の申請書が存在し、数字を記載するだけで、比較的容易に申請が可能です。
私も数件申請を提出しておりますが、国税については非常に柔軟に対応してくれているように感じます。
(地方税については自治体により対応が異なります。)
この猶予は確定申告分に限らず、中間・予定申告分でも申請可能です。
消費税など大きな税額を年に数回納付している企業では、かなり大きな資金繰り改善につながるはずです。
また、業種によりますが、固定資産税・事業所税などの地方税の負担が大きい企業も猶予申請が可能になりますし、さらに、社会保険料の猶予制度も併用することができます。
支払いが厳しいとわかっている時は、特例猶予申請を納期限までに提出し、資金繰り対策にぜひお役立てください。