自身や部下の目標が未達であったとき、皆さんは、その未達原因を検証しようと動かれると思いますが、未達原因以前に
「そもそも取り組みがとても甘い、ほとんどやれていない」
というケースも少なくないことと思います。
今回は、そうしたケースの誘因のひとつである「先延ばしグセ」について考えてみます。
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目次
先延ばしと目標達成
目標には必ず「何をどのくらい」という出来栄えの条件と、「いつまでに」という時間の条件がつき、いずれも満たして初めて「目標達成」です。
時間をかければ最終的には出来栄えの条件に届くところまで進められるかもしれないことでも、すぐにやらねばならないことを実践せず先延ばしにすることで時間条件を満たさず「取り組みが甘い、やれていない」となり、目標未達となるわけです。
そして、私たちはその結果を見て「またやれていない……」と自分を責めたり「全然やってない……」と部下を責めたりしてしまいがちです。
厄介な「先延ばしグセ」ですが直せます!
以下に述べる、先延ばしグセのタイプと傾向を理解した上で、直していきましょう。
先延ばしグセ~タイプと傾向
メジャーなタイプとして3つに分類します。
[1]完璧主義タイプ
「やるからにはちゃんとやるべきだ」「やるからには完璧を目指す」という意識が実は弱点になってしまっているタイプ。
こだわりが強すぎるがゆえ、1つ1つのステップに時間をかけてしまい、なかなか本題に取り組めない傾向。
[2]ネガティブタイプ
目標を達成する自信がない、失敗がこわい、ゆえに、ほとんどやらずに終わるタイプ。
取り組みの重要度・緊急度よりも、失敗しないことを優先する。早く報われたいと強く思う傾向。
[3]注意散漫タイプ
やるべきことが目の前にあっても、他の誘惑(雑務、スマホ等)に気が取られ、手をつけられない、手をつけるのが遅くなるタイプ。
自分ごとだけではなく、他者との関わりにおいても、脈略がない話題を急に話し出すなど衝動性が高い。将来よりも目の前の誘惑に負ける傾向。
上記は一例ですが、実際は複数のタイプにまたがる複合的な方がほとんどです。
先延ばしグセへの対策
自分や部下が、上記のどの傾向が強いのかを考え、その傾向に沿った目標設定をすることがもちろん重要なのですが、上記どのタイプにも当てはまる対策もあります。
スモールステップ
小さな習慣を身に着けることから目標を設定。日常生活をがらりと変えるのではなく、10~20%ぐらいの変化を徐々につけるようにします。
呼吸に集中する瞑想
ここで言う瞑想とは、内観に代表される、自分を見つめなおす精神的なトレーニングのような難しいものではなく「呼吸に集中する方法」です。
自分の呼吸に注意して、意識がほかに行こうとしたら、呼吸に集中する。ついほかのことを考えてしまいそうになったら、また呼吸に戻す。
この繰り返しがいわば心のトレーニングになり、嫌なことを先延ばしにする心を認識することができます。
目標の再設定
上記2つは「簡単なことからスタート」するという共通点があります。取っ付き易く、継続していくこともそれほど困難ではありません。しかし、簡単なことばかりでは、半年や1年継続してもたどり着くゴールはそれなりです。
そこで、第二段階として、少し高い目標を再設定するようにします。目標の再設定を繰り返しながら、徐々に高いレベルの習慣を身につけます。
このように、無意識のうちに物事を先延ばしにしてしまう方には、簡単で「これなら楽勝!」と感じられる取り組みからスタートし、徐々にレベルを上げていき、気がついたら、以前はやっていなかったことができるようになった、という状況をつくり出していかれることをオススメします。
この、自然と新しい習慣にカラダを慣らしていく方法は、突き詰めると「脳をだます」方法でもあるのです。
「先延ばしグセ」があるがゆえに、取り組みへの評価が低く、いつも将来のチャンスひいては報酬をつかみ損ねてしまう……そんな自分にも部下にもならないために、賢くだまされてみるとよいかもしれません。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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