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相続放棄の注意点

2019.09.24

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 あまり気持ちの良い話ではないかもしれませんが、経営者の皆様に大切な情報として、今回は「相続放棄」についてお伝えします。

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会社債務の連帯保証人である社長の身に万が一のことがあった時、残されたご家族が会社経営にノータッチだった場合、保証債務を負わないためにその相続を放棄するケースがあります。

ここでいう相続放棄とは一般的な相続人の間で行われる遺産分割協議によるものではなく、管轄の家庭裁判所に相続放棄の申述をするものです。

申述するにはいくつか条件があり、また、知っておきたい注意点もあります。

相続放棄の注意点

申述の「3ヶ月ルール」

裁判所に相続放棄を認めてもらうためには
「自分が相続人であることを知った時から3ヶ月以内に申述する」
という条件があります。(民法第915条1項)
勘違いされやすいのですが、この3ヶ月とは実際に亡くなった日からではなく「亡くなったことを“知った日”」からとなります。

例えば、夫婦仲が悪く別居しており、
亡くなってから3日後に子供たちからの連絡で知った場合はその日から、
普段から行き来のない子供たちで、父親の死亡を3ヶ月後に知ったとしたらその日から、
3ヶ月以内の申述で相続放棄が認められます。

債務のことを知らなかった場合

では
「亡くなったことは知っているが債務のことは知らなかった」
という場合はどうなるでしょうか?

父親の葬儀を滞りなく済ませてから7ヶ月後、銀行から督促状が届き、会社経営にはノータッチだった家族は、そこで初めて会社に借金があること、そして社長である父がその連帯保証人であったことを知った……。
このようなケースです。

これには判例があり
「相続人に落ち度がなく調査しきれなかった相続財産(借金・保証債務)については、それを知った時から3ヶ月以内の申述」となります。

つまり、督促状が来た時から3ヶ月以内の申述で、相続放棄が認められます。

安易に家族を役員にしてはいけない!

ただし、上述のようなケースでも奥様やお子様が取締役・監査役として登記されていれば、仮に名ばかりの登記であったとしてもよほどの事情がない限り相続人側に過失ありとみなされ、相続放棄が認められない可能性が非常に高くなります。

役員として登記されている以上、会社の状況を知らなかったという言いわけは通用しません。

また、仮に名前を貸していただけでも、それを容認した過失が認められてしまいます。

そのため、家族だからといって、経営に関与していない家族を本人の知らない間に勝手に役員にしてはいけません。

ほかにも相続放棄にまつわるトラブルは、ケースにより判例もさまざまです。

当然ながら、このようなトラブルにいたらぬよう、未然にしっかりと事業承継対策を進めておくことが肝要であることは言うまでもありません。

「今のうちからできることは?」といったご相談はもちろん「まさに今困っています」というお悩みも、お気軽にご相談ください。

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