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組織風土とは?組織風土の構成要素と改革方法について解説

2022.11.30

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企業は、それぞれ異なった組織風土を持っています。改革の過程で組織風土についても検討することがありますが、組織風土改革を進めるのは簡単ではありません。組織風土がどのように構成され、何に影響を及ぼしているのか知る必要があるためです。

当記事では、組織風土とはなんなのか、良い組織風土を作る方法を合わせて解説します。組織風土を改革し、企業をより良い方向へ導きたいと思っている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.組織風土とは?

組織風土とは、組織に根付く共通の精神や考え方です。

そもそも「風土」という言葉は、その土地の気候や古くから根付く性格などを表します。組織に置き換えると、企業理念・社訓といった独自の考え方や、「顧客至上主義」のような組織としての性格を指すと言えるでしょう。

また、組織風土と混同されやすい言葉として、「組織文化」や「社風」などが挙げられます。

組織文化とは、社員間で共有する信念や規則・ルールです。「文化」という言葉は、時代や状況によって移り変わる価値観を表します。創業したばかりの新しい企業と歴史ある老舗企業では組織の信念・ルールが異なるように、組織文化は企業の成長とともに変化するのが特徴です。具体的には、「成長志向か安定志向か」「トップダウンかボトムアップか」のような価値観が組織文化に当てはまります。

組織風土は外からの影響を受けにくい企業の性格や根底にある考え方であるのに対し、組織文化は企業の歴史とともに変化する価値観・ルールであると言えるでしょう。

また、社風とは、社員が感じている社内の雰囲気や空気感です。具体的には、「エネルギッシュで活気がある」「風通しが良く上司にも意見や提案がしやすい」のような内容が当てはまります。

ある人の持つ雰囲気や印象がその人の性格・価値観から形成されているように、社風は組織風土・組織文化の影響を受けて作られると言えるでしょう。

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2.組織風土を構成する3要素

組織風土は、ハード面・ソフト面・メンタル面の3つの要素から構成されており、これら3つの要素は互いに影響しあっているのが特徴です。組織風土について理解を深めるには、それぞれの要素の内容を押さえることが不可欠です。

ここでは、組織風土を構成するハード面・ソフト面・メンタル面の3要素について詳しく解説します。

2-1.ハード面

組織風土におけるハード面とは、組織内で明文化されている規範やルールです。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 経営理念
  • ミッション・ビジョン・バリュー
  • 人事制度
  • 就業規則
  • 社訓
  • 経営計画

ハード面の特徴は、目に見える形で定められた要素であり、経営層の関与・働きかけによって組織風土に大きな変化・影響を及ぼせることです。中でも人事制度は社員の処遇に関わる重要な基準であるため、企業として社員に期待する行動の促進にもつながります。

2-2.ソフト面

組織風土におけるソフト面とは、社員それぞれの行動や価値観、チームワーク、人間関係によって作られる要素です。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 経営層の影響力の強さ
  • 組織のローカルルール
  • 上下関係や勢力関係
  • 社員間のコミュニケーション
  • 業務へのモチベーション
  • 責任の所在

ソフト面は抽象的であるためイメージしにくいですが、「定時15分前にはデスクに座る」「チームで業務を分担する」といった職場環境や暗黙のルールだと考えましょう。

ハード面のように明文化されていない分、ソフト面は変革をもたらすのが難しいという特徴があります。ソフト面にアプローチするためには、社員に根付いた意識・価値観を根底から変えることが不可欠です。

2-3.メンタル面

組織風土におけるメンタル面とは、社員の精神面・心理面に関する要素です。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 新たなプロジェクトに積極的に関わる姿勢があるか
  • 変化を柔軟に受け入れられるか
  • 自分の意見や考えを率直に伝えられるか
  • 社員間で協力する姿勢が見られるか
  • チャレンジ精神をもって業務に取り組めるか

メンタル面は目に見えない要素であることから、ソフト面の一種であると考えられます。社員それぞれの感情や考え方、性格が影響するため、3つの要素の中でもっとも現状把握や変革が難しいと言えるでしょう。

3.良い組織風土とは?

一般的な「良い組織風土」の例には、「社員一人ひとりが共通の目標に向けて意識・行動できる環境が整っていること」などが挙げられます。しかし、どのような組織風土が良いとされるかは企業によって異なるため、業務内容や組織として重視したいこと、目指す姿に適した組織風土を作り上げることが重要です。

ここでは、良い組織風土を作るメリットと構築方法、改善の際の注意点について詳しく解説します。

3-1.良い組織風土を作るメリット

自社にあった良い組織風土を作り上げることで、生産性の向上・離職率の低下が見込めます。

組織風土におけるハード面の整備・周知により、企業全体としての方向性や目標の共有が可能です。社員一人ひとりが同じ方向を向いて取り組むことで自然と積極性やチームワークが生まれ、パフォーマンス・生産性の向上へとつながるでしょう。

また、社員同士の関係性が良くなれば、ソフト面・メンタル面の改善も期待できます。働きやすい環境が整うことで自社への愛着ややりがいも大きくなり、結果として離職率の低下にもつながるでしょう。

3-2.良い組織風土の作り方

組織風土改革を行う際には、「現状の把握」「目的の明確化」「社員への説明」の3つのステップを踏むことが重要です。

現状の把握

変革すべき点がどこにあるのか、どのような点が問題であるのかを理解するには、現状を正しく把握することが必要です。現時点での組織風土を可視化する際は、グループディスカッションやアンケートなどが有効となります。

現状把握のポイントとして、この段階では具体的な原因や解決策は求めず、社員が組織について感じている率直な意見を集めることが重要です。

目的の明確化

現状把握ができたら、次に問題点を探り、改革の目的を明確化します。

組織風土は目に見えるもの・数値化できるものではありません。改革の目的や理想とする組織の姿、具体的な取組内容が分からなければ、社員が組織風土変革を実感できずに中途半端な結果を生む可能性も考えられるでしょう。

一人ひとりが自発的に意識・行動を変えて組織風土変革を成功させるには、目的の明確化が不可欠です。

社員への説明

組織風土を作るのは社員たちです。変革の目的・必要性や、変革によって期待できるメリットを全員で共有できなければ、成果を出すのは難しいでしょう。経営陣が変革の必要性についてセミナーなどを通して繰り返し訴えたり、率先して行動を起こしたりすることが必要です。

社員が納得しないまま変革を進めてしまえば、最悪の場合、変革前よりも状態が悪化してしまう恐れもあります。主体的な行動を促すためにも、社員から理解を得られるよう説明は怠らないようにしましょう。

3-3.組織風土を改善するときの注意点

組織風土は長い時間をかけて築かれた企業の精神・考え方であり、変革は容易ではありません。一つひとつのステップを丁寧に進めなければ、社員が不信感を抱いたり、状況を悪化させてしまったりする原因にもなり得ます。

洗い出し・改善にはある程度の期間が必要であると念頭に置いて、焦らず取り組むことが重要です。

また、会社ごとに組織風土があるように、部署ごと・チームごとにも独自の組織風土があります。社員全員が同じ方向を向いて働くことは前提として、部署やチームによる違いやそれぞれの形を尊重した柔軟な対応が求められるでしょう。

組織風土変革に抵抗する社員がいる場合は、ビジョンや目的を粘り強く伝える、積極的にコミュニケーションを取るなどのフォローも必要です。

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まとめ

組織風土とは、組織の中で共通認識になっている考え方や価値観のことであり、組織文化や社風にも影響を及ぼすものです。組織内で明確になっているルールや従業員間の関わり、精神状態などさまざまなものが組織風土を構成しています。

良い組織風土を作ることで働きやすい環境が整い、離職率低下や生産性の向上につながります。一方、企業にしみついた組織風土は変えることが難しいため、改革する際は適切な手順を踏み、根気強く取り組みましょう。

(令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成)

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NBCPlusオンライン編集部

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