かつては、イワシはリーダーがいてリーダーが指揮していると考えられていましたが、実際はルールに基づき自主的・主体的に行動していることがわかりました。
今回は、イワシに学ぶ組織作りについて解説します。
目次
イワシにはリーダーがいない!
イワシの群れが「一つの大きな魚」のように泳ぐ姿を皆様もご覧になったことがあるのではないでしょうか。
なぜイワシは群れで泳ぐのか?この美しい現象は、これまで多くの動物学者によって研究されてきました。
かつての有力な仮説は「群れの中にいる“リーダー”が指揮している」というものでした。
しかし、中央制御(=指導者やリーダーが存在する集団)プログラムを細かく設計し・シミュレーションしてみても、その現象を上手く再現することは叶いませんでした。
そしてさらに研究は進み、この現象はイワシの本能に組み込まれた単純な3つのルールで再現できることがわかってきました。
- (1)周囲の仲間と適度な距離を保つ
- (2)進む方向、スピードを合わせる
- (3)仲間がたくさんいる方向へ向かう
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著:山口遼/ソル・メディア
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つまり、指示命令による受動的な行動ではなく、群れを構成する一匹一匹がルールに基づき主体的・自律的に行動し、変化し続ける外部環境や発生する課題に対して適応しているのです。
これはとても興味深い事実であり、組織づくりにも通ずるものがあります。
基準・ものさし・理念・パターンの明確化
組織を構成する一人ひとりが主体的・自律的に行動できるよう、生産性や収益に関する基準・ものさしや目標、企業の存在意義・理念を明確化しておきましょう。
また、業務の標準化・平準化のためのマニュアル化(パターンの明確化)などにも取り組みましょう。
環境(内部・外部)の理解
マグロやサメなどの天敵が存在する環境に置かれたからこそ、イワシも「一つの大きな魚」のような群れを形成するようになりました。
外部環境(市場・競合)や果たしたいミッション、業績目標やその進捗、解決すべき課題など、社員一人ひとりに正しく環境を理解してもらうことが重要です。
社員の知恵を引き出す
社員に考えてもらい、知恵を引き出すためには、一方通行のコミュニケーションではなく会話・対話が必要です。
一方通行のコミュニケーションの場合、聞き手は「聞く・受ける」に終始せざるを得ず、「自ら考えよう・検証しよう」という動きにはなりません。
社員の知恵を引き出すために「もし、仮に~」をうまく活用し問いかけてみましょう。
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NBCコンサルタンツ株式会社
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