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社風は改善できる?方法と改善する際の注意点を解説

2022.12.08

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人間関係のトラブルが多い、従業員のモチベーションが低いなどの企業にまつわる問題は、社風が原因かもしれません。自社の社風が悪いと感じた時は、改善に向けて行動を起こすことで、生産性の向上や社員の定着率アップにつながります。

当記事では、社風の改善方法と改善策を実施する際の注意点について詳しく解説します。簡単に始められる社風の改善方法も存在するため、自社を変えたいと思っている方はぜひ参考にしてください。


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目次

1.社風の改善方法

企業の社風が悪いと、コミュニケーションの問題やモチベーションの低下など、さまざまなトラブルが起こります。社風がよくないことによるデメリットを避けるために、社風の改善を検討しましょう。

社風とは何かについては、下記のページを参考にしてください。


ここでは、社風を改善する方法について解説します。

1-1.経営理念を共有する

経営理念とは、自社が経営活動に取り組む時の考え方や独自の方針を表現した言葉です。経営理念には次の3つの要素が含まれます。

ビジョン 企業が目指している将来像や、理想としているあり方
ミッション 社会において企業が取り組むべき使命や、果たすべき役割
バリュー 大切にしている信念や価値観

経営理念を従業員に共有することで、社風の改善が可能です。経営理念は企業だけでなく、従業員一人ひとりが仕事に取り組む時の指針にもなります。従業員の価値観に合う理想的な働き方や、仕事を通じて社会にどう貢献できるかが明確化することが社風の改善に効果的です。

経営理念がない場合や、作ってはいるものの社内に浸透していない場合は、経営理念の共有に取り組んでみましょう。

1-2.人事制度を見直す

人事制度を見直すことも、社風改善につながります。人事制度とは、評価制度や給与制度などを明文化したルールのことです。人事制度には、事業において求められるスキルや人材像を明確にする役割があります。

人事評価でどのような点を重視するかは、組織風土に影響を与える要素の1つです。例えば、より高い成果を出した人が評価される人事制度は、社内に競争的な雰囲気を作り出す場合があります。また、達成までにどのような取り組みを行ったかも評価される人事制度なら、自己成長に取り組む社風を作ることが可能です。

人事制度を見直し評価基準を明確にすると、どのように頑張ればよいかが分かるようになります。人事制度があいまいな場合や、現状の制度が機能していない場合は、人材制度の見直しによる社風の改善に取り組んでみましょう。

1-3.社員同士のコミュニケーションを大切にする

社員同士のコミュニケーションを大切にすると、人間関係や仕事に取り組む姿勢がよくなり、社風改善につながります。

コミュニケーションの質を高める方法にはさまざまなものがあります。例えば、挨拶をする時に一言添えるという方法は、簡単に取り入れることが可能です。仕事の調子をたずねたり、体調を気遣ったりする一言を加えると、コミュニケーションの機会が増えます。

また、相手をほめることもコミュニケーションを大切にする方法の1つです。小さなことでも見逃さずにほめる習慣ができると、ポジティブな雰囲気ができあがります。対面だけでなく、社内のチャットなどで相手をほめたり、お礼を伝えたりすることも社風改善に効果的です。

1-4.心理的安全性を高める

企業における心理的安全性が高い状態とは、自分の発言や行動が他のメンバーから拒絶される心配がないことを指します。

心理的安全性を高めると従業員が自信を持って意見を言ったり、主体的に行動したりできるようになり、社風の改善が可能です。また、仕事におけるストレスが減り、従業員のパフォーマンスが向上する効果も期待できます。

心理的安全性を高めるには、相手の発言や行動を頭ごなしに否定しないことが大切です。相手の意見を尊重し、建設的な議論ができる体制を作ると、心理的安全性が高まります。

また、発言の量に偏りができないようにするのも大事です。意見を言えていないメンバーがいたら、発言を促すことで心理的安全性が高まり、社風を改善できます。

1-5.経営者の振る舞いを変える

経営者の振る舞いは、社風に大きな影響を与える要素です。経営者がいつも怒っていたり、ネガティブな発言をしていたりすると、従業員は委縮してしまいます。社風を改善するには、経営者自身が言動を見直し、問題点があれば改善することが大切です。

例えば、従業員が出したアイデアに不備があった場合、全否定してしまうと社風がよくなりません。まずよかった点をほめた上で、さらに改善する視点として不備を指摘するなど、伝え方を工夫すると従業員の委縮を防げます。

また、経営者の発言と行動を一致させることも重要です。経営者が従業員に対して言っている内容を経営者自身が実行すれば、従業員からの信頼が高まり、社風にもよい影響を与えます。

2.社風を改善する時の注意点

社風は企業の持つ雰囲気であるため、簡単に変えることは困難です。時間をかけて形成されてきた社風を改善するには、ポイントを理解した上で努力する必要があります。社風を無理やり変えようとしても反発を受けてしまうケースもあるため、正しい取り組み方を把握しましょう。

ここでは、社風を改善する時の注意点を解説します。

2-1.社内の問題点を洗い出す

社風が悪い場合、原因となっている問題点が必ずあります。社風のよくない企業によく見られる問題点の例は次の通りです。

  • 明らかに達成困難な目標が設定されている
  • 新人や部下に仕事を教える環境が整っていない
  • 部下の成果が上司のものになってしまう
  • 社内の情報共有ができていない
  • パワハラが日常的に起こっている

上記に限らず、社員同士のトラブルが起きやすい企業ではストレスが溜まりやすく、社風が悪くなってしまいます。雰囲気だけを変えようとせず、根本的な原因から改善することが大切です。

匿名のアンケート調査を定期的に実施したり、相談窓口を設けたりすると、社内の問題点を把握できます。社内の課題を分析し、1つずつ解決しましょう。

2-2.長期的な視点で取り組む

社風の改善は長期的な視点を持ち、じっくりと取り組むことが重要です。社風を変えるには、従業員一人ひとりの価値観が変わる必要があります。しかし、価値観は時間をかけて醸成されるため、短期的に改革することはできません。

従業員の価値観は、社風改善の取り組みの中で徐々に変えていけます。顧客にどのような価値を提供するべきかを従業員自身が意識し、日々の業務で実践すると、価値観の変化につながります。

社風を改善するための取り組みがすぐにうまくいかなくても、あきらめないことが大切です。社内の状況や従業員の反応を見ながら、継続的に取り組んでいきましょう。

2-3.全社を挙げて取り組む

経営陣やマネジメント層だけでなく、全社的に取り組むことが、社風改善を成功させるポイントです。

例えば、多くの従業員が参加する会議や朝礼などでコミュニケーションの機会を増やすと、よい雰囲気が作れます。他部署や他部門のメンバーと交流する機会や、全社で行うイベント、研修なども企業全体で社風改善に取り組む方法です。組織の一体感が高まると、社風が改善しやすくなります。

社風改善に向けたスローガンを職場に掲示したり、社内報で特集を組んだりするのも効果的です。社風をよくするための内容が繰り返し目に触れることで、全社員の意識が変わります。

全社を挙げて取り組めるように、社風改善の進め方を工夫しましょう。

まとめ

社風は従業員の生産性やモチベーションを左右するため、よくない社風が定着してしまった場合は改善を目指すことが大切です。社内でのコミュニケーションを増やしたり、経営者の振る舞いを変えたりする方法は、すぐにでも始められる社風改善への一歩です。大がかりな社風改善を目指すのであれば、人事制度の見直しも視野に入れましょう。

ただし、社風の改善は簡単に行えるものではありません。全社が一丸となり、長期的な視野をもって社風の改善に努めることがポイントです。

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NBCPlusオンライン編集部

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