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2023年も残すところわずかになってまいりました。
昨年から続く輸入製品・原材料・エネルギー燃料不足の影響がいまだに解消されていない中小企業も少なくない中、2023年には電気代やガソリン代が高騰し、今なお経営にその影響を与えている最中かと存じます。
帝国データバンクの調査によると、企業がコスト上昇分を販売価格やサービス料金にどれだけ転嫁できたかを示す価格転嫁率は43.6%――。
※出所:帝国データバンク『価格転嫁に関する実態調査(2023年7月)』
つまり、100円のコストアップに対して価格転嫁できた金額は43.6円――。5割以上を実質的には企業が負担しているという現状があります。
「顧客や消費者から理解が得られ難い」ということが、価格転嫁できない最大の理由となっていますが、であればこそ最大限社内での生産性改善をより加速させていくことが求められるのも事実です。
そこにきて2023年は人手不足による生産活動へのマイナス影響、ひいては後継者不在による休廃業・解散件数が増加し、2023年上半期のデータでは「人手不足倒産」が過去最多ペースで推移しています。
さまざまな外部環境の影響がある中、いかに「未来」に向けた内部体制を整えるか……。
あらためて、この時代に経営することの難しさを痛感させられます。
また、さまざまな企業様に伺う中で感じることは、企業改善において『リーダー』の存在が大きく明暗をわけているということです。
2025年問題ではないですが、NBCが支援している企業様でも、経営者のみならず現場を支えてきたトップクラスの重鎮たちが引退を控え、次の世代に承継を進めている例が少なくありません。
そのような中、上手く機能していない組織のリーダーには次のような特徴があります。
- 返事をしたのにその場になると「そんなことは聞いていない!」で終わらせる
- 部下の前で会社の愚痴や不満を言いふらす
- 自分の価値観だけで意見を否定する
- スケジュールの計画性がなく振り回す(部下はNOと言えない……)
などなど。
体感ではありますが、こういったリーダーの共通点は、意外と本人は「気づいていない」ということです。気づいていない以上、本人の成長のために客観的な分析を行い、現状を理解してもらう機会・環境をつくることがとても重要です。
逆に、組織を活性化させるリーダーには次のような特徴があります。
部下の能力を疑うようなリーダーは、部下に仕事を任せることができません。
その結果、自分の仕事だけが膨らみ、本来行うべきマネジメントを放棄した結果、部下は成長せずいずれ組織から去る選択をします。
リーダーたるもの、トップダウンが必要な場面も当然あります。一方で、議題によっては部下に自由に意見を発信させる環境を用意しているリーダーもいます。
愚痴や不満を聞くという意味ではなく、会社・組織が向かう「方向性」にさまざまな視点から意見を集め、より良い策を検討することで、組織の活性化と部下の参画意識を醸成しているリーダーがいる組織は、昨今のような外部環境の変化があった時の順応性においてその「スピード感」に大きな差が出ていると痛感します。
昨今では『方針発表会』のような形で経営者のメッセージを全社員に発信されている企業様も増えてきていると感じます。
しかし、その限られた時間でその真意や深い意図まで全員に伝えられるかというと限界があります。
優れたリーダーはその「本質」を理解し、部下にわかる言葉で置き換え、行動に移すことをさせます。
会社の生産性にはリーダーの存在・言動が大きく影響します。会社として期待したリーダーですから、目先だけでなく長期的に価値ある「人財」となるよう、今だからこそ育成環境を整えていただければと思います。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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