目次
会社を存続・承継するために不可欠なここと
社長の最大の課題は、会社をいかにして存続・承継するかです。そのためには、
- 資金が豊富であること
- 会社を承継する後継者の教育
この2つが不可欠です。そして、この2つは表裏一体の関係でもあるのです。
資金が豊富であることの重要性
資金のない会社、借入金が多い会社は、承継する後継者の人生を狂わせてしまいます。
現代は、商売を覚えれば経営ができる時代ではありません。以前は、どの会社にも、創業者の思想を承継する「番頭さん」がいて、未熟な後継者をサポートする機能がありましたので事業承継が大きな話題にはなりませんでした。
しかし、年功序列・終身雇用制度が崩壊した現代に番頭の役割を担う者はいません。後継者に「見て覚えろ」という時代ではなくなったのです。時代は
- [1]スピード時代:短期間で勝負がつくようになった
- [2]精神面の変化:精神的に“耐える”“辛抱”という言葉は時代錯誤で「今がよければ良い」という価値観への変化
- [3]個人主義:家や会社を長男が承継するという発想がなくなった
事業承継が難しくなる環境・条件が揃ってきた―、そういう時代になりました。また、資金難になれば、会社の借入金は、後継者が継ぐことになります。
万が一、後継者が育たぬうちに社長が亡くなってしまったら…。社長が個人保証をしている借入金はどうなるのでしょうか?
相続においては、財産を継ぐばかりではなく、借入金、個人保証をした負の資産をも継ぐことになります。
金融機関は債権を放棄しません。借入金も相続することになりますので、法定相続人である奥様(ご夫君)が返済するか、事業を承継して借入金も承継するか、という選択に迫られます。
資金難の会社で、社長ご夫妻が離婚するケースが多いのは、債務を引き継ぐことができないからです。
会社を承継する後継者の教育の重要性
後継者をしっかりと育てておくことは、会社の存続ばかりではなく、社長の心の安寧のためにも肝要なのです。
NBCでは14年前から「実践後継者塾®(21日間研修)」を開催してきました。すでに100期生、600名を超える後継者、後継予定者が卒業しています。
この研修を終えると、「これがわが子なのか?」と疑うほど後継者は変化します。それは、仲間と共に経営を学び、同じ立場の存在として共感するからです。わずか21日間で後継者が変わる…。会社にとって素晴らしい財産が誕生することになります。
実践後継者塾®を通して後継者が変わった事例
この研修に参加した、ある後継者の話をしましょう。資金難、借入金過大、自己資金なしの会社の後継者が自費でこの研修を受講していました。
研修4日目―、創業者である父親が突然亡くなったとの連絡が研修会場に入りました。
誰もが、彼が研修を中止して帰宅するだろうと考えました。しかし彼は「この経営を立て直すことが親父への供養だ」と言い、最後まで、誰よりも真剣に研修を受講し、21日間を全うしたのです。
その後、彼は見事に会社の経営を回復させ、会社は健全な企業へと成長していきました。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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