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仮想通貨は申告が必要?~ビットコイン狂騒曲~

2018.01.23

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世界で最初に登場したビットコインをはじめ、仮想通貨は現在1,500種類以上あると言われています。
(日本の仮想通貨取引所に上場している仮想通貨は全部で14種類。)

『億り人(おくりびと)』なる言葉も登場し、資産が大幅に増えた方もいらっしゃるようで羨ましい限りですが当然のことながら【資産が増加する=所得】として課税対象となります。

税制改正などに機敏となり大きく資産を増やしていけるよう、精通した専門家にアドバイスを求められることをお勧めします

目次

仮想通貨の税法上の取り扱い

国税局も看過することなく、2017年9月に
『ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係』を
公示しており、【雑所得】という見解を示しています。

所得税法では、個人の所得について10種類に分類し課税を行っています。

給与所得・退職所得・事業所得・不動産所得・配当所得・
利子所得・譲渡所得・一時所得・山林所得・雑所得です。

ここで、「所得の種類によって所得税の計算方法が異なる」という点に注意が必要です。

私もセミナーなどで良くお話をさせていただく節税の方法、「所得の種類を変える」ということにつながってきます。

例えば、給与として得た金額(給与所得)と、個人事業で得た金額(事業所得)は、同じ金額であっても経費として認められる範囲などが異なり、>税金の額が異なります。

雑所得のデメリット

では、雑所得にはどのようなデメリットが考えられるでしょうか?

  • (1)他の所得と損益通算できない
  • (2)損失を繰越控除できない
  • (3)累進税率が適用される

(1)他の所得と損益通算できない

まず(1)についてですが、損益通算とは、ある所得で発生した損失を他の所得から差し引くことをいいます。

ところが、雑所得の場合は損益通算が認められません。
いくらビットコインの取引で赤字が出たとしても、他の所得区分から差し引くことはできないのです。
(他に雑所得がある場合を除く。)

(2)損失を繰越控除できない

次に(2)についてですが、上場株式等で認められている、
「その年に出た譲渡損失を翌年以降3年間繰り越して、利益が出たタイミングで合算することができる」
という制度が雑所得では使えません。

(3)累進税率が適用される

また(3)で挙げた税率についても、ビットコインと株式の取引では取り扱いが全く異なります。

例えば、上場株式等を譲渡した場合は分離譲渡所得という区分になり、利益に対して一律20%(所得税15%+住民税5%)が課せられます。
※分離課税方式。復興税は未考慮。

この税率は株取引でいくら儲かったとしても変わりありません。ところが、雑所得は総合課税方式で税率が決まります。

総合課税方式になると、雑所得以外の所得もすべて合計した上で、
所得税の税率5~45%(+住民税10%)が適用され最大半分以上を税金で持っていかれてしまいます。

仮想通貨を取り扱う税制は変わる可能性あり

ただし、ビットコインの税制は今後変わる可能性もあります。

過去にも税制改正により取り扱いが大きく変わる事例があり、同じような金融取引の代表であるFX取引は、
平成23年分の所得税までは、(一部の商品を除いて)雑所得として、総合課税方式により課税されていましたが、
平成24年分以降は、分離課税方式が適用されることとなり、一律20%の税率が適用されるようになりました。

ビットコインについても、ひとまず国税庁からタックスアンサーによる見解が示されたものの、取り扱いが定まったとは言い難く、今後の法律や通達により取り扱いが変わる可能性は十分にあります。

朝日新聞などによると、国税局が仮想通貨取引で多額の売却益を得た投資家らの調査を始めたとの報道もあります。

仮想通貨だけでなく多くの金融商品・オプション取引が散在する中、税制改正などに機敏となり大きく資産を増やしていけるよう、精通した専門家にアドバイスを求められることをお勧めします。

仮想通貨に限らず税務でお悩みの方はぜひ弊社にご相談ください

https://nbc-tax.jp/

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この記事の著者

NBC税理士法人

「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。