5月7日、3度目の緊急事態宣言の延長が決定し、先週末の14日には新たに3エリアが追加され、9つの都道府県が宣言下に置かれました。
ワクチン接種も当初の予定より遅れており、緊急事態宣言が再延長される可能性も否定できません。
休業要請を受けている企業・店舗は否応なしに売上が減少(または消滅)してしまいます。
このような時代に生き残るためには、どうしたらよいのでしょうか?
先日読んだ書籍にそのヒントがありましたので、今回ご紹介したいと思います。
目次
参考書籍:
『「顧客消滅」時代のマーケティング
ファンから始まる「売れるしくみ」の作り方』
著:小阪裕司/PHPビジネス新書
https://amzn.to/3wd8aIL
本書の要点をまとめると、以下の3点です。
- 人がモノを買うのは「生活必需品」か「心が豊かになるモノ」のいずれか
- その場限りのフロー型のビジネスではなくストック型のビジネスが強い
- 「共創」によりファンダム(熱心なファン)をつくっていく
1.人がモノを買うのは「生活必需品」か「心が豊かになるモノ」のいずれか
我々は、今回のコロナ禍で強制的にサービスの利用を制限されました。
実際に“無くても困らない”という体験をしたのです。
「わざわざ買わなくてもいいじゃないか。」
「わざわざ行かなくてもいいじゃないか。」という
“選別”をする機会が強制的に与えられたのです。
こうなると、生活必需品を除けば
「コロナが落ち着いたら、必ずあの店のあのサービスを利用しよう。あぁ、待ち遠しい。」と思ってもらえるサービスを提供しているお店でなければ売上をつくるのは難しくなります。
つまり【顧客の心が豊かになるサービスを提供しているかどうか】が、重要となるのです。
2.その場限りのフロー型のビジネスではなくストック型のビジネスが強い
今は来店してもらうのが難しい飲食店でもテイクアウトやデリバリーサービスを始めて、
通常営業時よりも売上を増やした事例が紹介されています。
一見のみの刈り取りスタイルでは難しくても、ストック型(常連客)のスタイルを構築できていれば、何かしらの売上につながるサービスを提供することは可能です。
そのために、顧客リストを整備して自社の得意先と直接つながるということが重要です。
3.「共創」によりファンダム(熱心なファン)を
つくっていく
最後のファンダムづくりについてはエンドユーザーとの関わりを深くするということが重要です。
たとえば大手メーカーもわざわざSNS上でファンクラブなどをつくり、エンドユーザーとの接点を設けています。
顧客参加型のイベントや仕掛けなどに取り組み
ファンとの接点を増やしファンダム化を狙っているのです。
(某お菓子メーカーの「きのこたけのこ戦争」などはその最たる例です。)
「自社の得意先は誰か?」
「自社のどのサービスを気に入ってもらえているのか?」
「彼らが今後も長きにわたり自社のファンダムとしてあり続けてもらうにはどうしたら良いのか?」
ここにマーケティングの本質があると本書では記載されていました。
その場限りのフロー型ビジネスを続けていると、一時の売上は確保できてもファンダムは増えず、永続する企業にはなれないでしょう。
自社の顧客リストを見直し、彼らがどうなれば心がわくわくして豊かになるのか――。
コロナ禍で苦しい今だからこそ、この原点を省みる機会になれば幸いです。
ひとこと
新しい事業を試みることが必要でしたら、昨日のコラムでもご紹介した「事業再構築補助金」などの制度活用が可能です。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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