今年の夏、56年ぶりに2度目の東京オリンピックが開催されます。
当初、紆余曲折あったものの、東京2020大会のブランドイメージにピッタリなメッセージ性の強い素晴らしいロゴが採択されました。
今では多くのマスメディア・テレビコマーシャルにとどまらず、都内のいたる場所で目にすることができ、開催が近付いてきたことを実感されている方も多いのではないでしょうか?
日常はブランドで溢れていますが、だからこそブランドメッセージを掲げる意味と目的、顧客に与えるインパクトの大切さを理解する必要があります。
目次
日常はブランドで溢れている
さて、その“ブランドロゴ”について「あなたが今日1日で接したブランド・ロゴはいくつありましたか?」と聞かれて、答えることはできますか?
ロゴに限ったことではありませんが、家電や食料品など自宅の中には多数のブランドが溢れており、外を歩けば無数の看板や広告が目に入ってくることでしょう。
私たちは、意識の有無にかかわらず無数のブランドに囲まれて暮らしています。
事業計画作成等のお手伝いをさせていただく際、私は必ずその企業のビジョンや理念をまとめることから始めます。
それが世の中に発する最大のブランドメッセージであり、事業の重要な要素だからです。
私たちを取り囲んでいるブランドは、消費者にとっても、提供者である企業側にとっても、重要な意味を持ちます。
ブランドがないと買う商品を選ぶのは難しい
ロゴが一切描かれていない、まったくデザインがされていない商品だけを置いているコンビニを想像してみてください。もしそんなコンビニがあれば、お茶1つ買うのも一苦労です。
同じ色をした液体が並んでいるだけで、それぞれどんな味がするのか、ほかの商品とどんな違いがあるのかわかりません。
そんな状態では、「これを飲もう」と決めるのはとても困難なはずです。
ブランドは消費者の意思決定を助けている─
たとえば「爽健美茶」というブランドを目にしたとき、飲んだことがあればその味を思い出すことができます。
飲んだことがないにしても、そのCMを目にしたことがあれば、
「多分こんな味をしているんだろう」
「健康によさそうなお茶なのだろう」
と想像できます。
つまり、ブランドは私たちの情報処理を簡略化する、という社会的な機能があるのです。
消費者にとって、ブランドは情報処理の簡略化を助けるメカニズム。これを企業の目線で見ると、ほかの企業(製品・サービス)よりも有利な認識を抱かせれば、選ばれる確率も高まるのがブランドといえます。
顧客接点の一貫性と時系列の一貫性
一口に一貫性といっても、2つの軸が存在します。1つ目は顧客接点の一貫性。2つ目は時系列の一貫性です。
顧客接点の一貫性は、商品・サービス、広告、接客などすべての接点に関係します。
消費者から見て、すべての接点で同じ印象を形成させることができるか、ということです。
たとえばスターバックスなら、おなじみのロゴや色使いを見ればスタバと認識できます。
さらに、どこのお店に行っても同じ商品クオリティ、接客クオリティが提供されます。それによって、スターバックスの価値が顧客の頭に刷り込まれるのです。
難しいのは、時系列の一貫性です。教科書的な解説では、
「時代に流されることなくブランドの一貫性を保ちましょう」と
書かれていますが、顧客のニーズは変化するもの。
つまり、一貫性を守ってブランドをつくることと、マーケットのニーズ変化に対応することは本来は矛盾しているのです。
長く続いているブランドは、芸術的ともいえるレベルでそのバランスを保っています。
ある部分では変化に対応しながら、別の部分は継承し、一貫性を持たせる。変化させながらも、ブランドのアイデンティは失わない。
変化する市場ニーズの中で、売上の最大化とブランド価値を守るバランスを取るのは「言うはやすく行うは難し」の典型ですが、これがブランド運用の肝になります。
出所:『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』
「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』
山口義宏:著/翔泳社
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ブランドメッセージを掲げる意味と目的、顧客に与えるインパクトの大切さを理解し、魅力的なブランドメッセージを発信していくことで世に選ばれる企業であり続けましょう。
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NBCコンサルタンツ株式会社
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